世の中には見えないはずのものが見えたり、聞こえないはずの音が聞こえたりする人がいます。周りの人はわからないことが多く、軽視してしまいがちですが……。これは筆者の友人・F絵から聞いたちょっと驚いてしまうエピソードです。※このお話には、津波に関する話が出てきます。

3月11日

学校を休んでも、R太はなかなか落ち着きませんでした。
そして午後になると、さらに「何の音?」と繰り返すように。

その日は3月11日……そう、東日本大震災の起きた日だったのです。

聞こえていた音

これは後日R太に聞いてわかったことなのですが、あの日「何の音?」と言っていた音は、震災で起きた津波の音だったらしいのです。
当時私たちの住んでいた場所は、震源地から遠く離れていて、揺れも感じなかった場所でした。震災のニュースをTVで観て「あぁ、この音だったんだ。」と納得したとか。

大きな波の音や物の壊れる音などが聞こえてきて、何の音かわからなかったR太は、とても怖かったと言いました。

息子のその後

R太はその後、大きくなるにつれて『聞こえる』『見える』ということは治まってきましたが、未だに何か大きなことがある前触れを感じることがあるらしく、不安定になることがあります。

私には理解してあげられない感覚ですが、R太はさまざまな感情を抱えているはず……親として、これからも彼を支えていってあげたいと思います。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:RIE.K


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