友人B美の体験談です。B美はある男性と付き合い始めますが、1か月後に妊娠します。彼は「家族を作ることには興味がないから堕ろしてほしい」の一点張り。あまりのショックにB美は寝込んでしまい……? 「病院に会いに行くよ」と言った彼は誠意を見せてくれたのか、その後の話をB美から聞きました。

「家族を作ることに興味がない」

「俺は父子家庭で、いい家族、というものに恵まれなかった。学校ではひどいイジメも受けてきたし、家族を作る、ということに興味が持てない。今回はお願いだから堕ろしてほしい」
想定以上の返答にショックを受けて、B美は寝込んでしまいました。
自分の両親に打ち明けても反応は冷たく、「1人で産もう」と密かに決意したのです。
ところが、突然の大出血。病院に駆け付けますが、残念ながら流産してしまいます。
念のために、とその後入院をしている間は、彼と連絡が取れていました。
「今回のことは申し訳ない。時間作って顔見に行くよ」
というメールが来たので、彼の前でたくさん泣いて、励ましてもらおうと思っていました。

でも、彼はその後、二度とB美の前に姿を現すことはなく、連絡も途絶えてしまいました。

悲しみを乗り越えて

その後、B美は別の男性と出会い、幸せな結婚をし、2人の子にも恵まれました。
それでも、失ってしまった最初の子のことは、今も忘れたことがありません。
あの時、彼に言われた「堕ろしてほしい」の言葉が胸に突き刺さったままです。
彼への気持ちが覚めた今は、激しい恨みに変わりました。
これはきっと、一生抱えていくものなのだろうと思っています。

きちんと避妊をしていなかったので、B美にも責任はありますが「家族を作ることに興味を持てないのに、家族を作る行為には貪欲って、どういうこと!?」とB美はまくしたてていました。
その話にうなずきながらも、私はB美が今幸せで良かった、と心から思っています。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

Itnライター:田中つぐみ

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