『様子見』という言葉は、さまざまなシーンで利用されます。しかし病気や障がいの場合、本当に『様子見』をして良いのかどうかは、素人ではなかなか判断がつかないものです。筆者の息子が現在も悩んでいる吃音(きつおん)に関するエピソードをご紹介します。

診断結果

A先生に診察をしてもらった結果は『重度の吃音(きつおん)』でした。
随伴症状(ずいはんしょうじょう)といって、吃音で苦しくなるのを避けるために、脚を叩いてリズムを取ったり、身体を動かしてしまう症状まで出ていると診断されました。
中には子どもの頃だけで吃音の症状が治まる人もいるそうなのですが、息子は「一生向き合っていかなければいけないと思う」と言われるほど、深刻な状態だったのです。

私は発達支援センターの先生に言われたことを話しました。するとA先生は
「言語聴覚士にも専門分野があるんです。私は吃音の専門ですが、他にも脳梗塞の後遺症などで発症する失語症(しつごしょう)などを専門にされている方もいるんですよ。」と教えてくれました。

自分でしっかりと学ぶことをせず、『様子見』という言葉を勝手に解釈して息子の症状を重くしてしまったこと……私は息子に対して申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

教訓

A先生との出会いから10年近く経ちますが、先生の診断通り、息子は未だに吃音の症状が強く出ていています。
悲しいことに、学校では吃音をからかわれたり、イジメられたりして不登校になってしまいました。
「今度生まれてくるときは、スラスラ話せるようになりたい。」と言われたときは、本当に胸が苦しくなり、思わず涙がこぼれました……。

もし、周囲で話し方に悩んでいる人がいたら、「それもこの人の個性なんだ」と受け止めてあげてください。
急かしたり、真似をしたり、話を要約したりするようなことは、絶対にやめてください。
そして、自分のお子さんの話し方に違和感を覚えたら、できるだけ早めに相談・診察へ行ってあげてくださいね。

まとめ

A先生には、吃音に関する知識はもちろん、息子を取り巻く環境がいかに大事かということも教えてもらいました。

親として家庭でどう接すれば良いのか、周囲に受け入れてもらうための環境づくりはどうするのか……吃音に関する正しい知識と、親・家族や周囲の対応方法をしっかりと学び、これからも息子を支えていきたいと思っています。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:RIE.K


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