食事の前に「いただきます」、食後に「ごちそうさまでした」というのは日本特有の文化で、そこに魅力を感じる外国の方もいるようです。
今回は「いただきます」がきっかけのトラブルに巻き込まれてしまった私の知人、Tさんから聞いたお話です。

屁理屈をこねる義姉に……

「え、いただきますしようねって……」
「なんで嫁の作ったもんなんかに、うちの子がいただきますなんて言わなきゃいけないのよ!? 材料費出してんのはうちの親なのよ? 偉そうに説教たれてんじゃないわよ!!!」

Tさんは義姉の屁理屈に、返す言葉もありませんでした。誰がお金を出したという問題ではなく、いただきますと言うのが当たり前だと思っていたからです。
「おい、何言ってんだよ」
Tさんの旦那さんが義姉をいさめますが、義姉は聞く耳も持たずにいきなり持っていたフォークをテーブルの上のハンバーグに突き刺し、食べようとしました。

「ちょっと待った」
そんな義姉の腕を掴んだのは、義母でした。
「そう、お金を出したのは私。一銭も出してないあんたが何を怒ってるの? 私はお金出したけどちゃんと言うわよ、いただきます!」
義姉を上回る大きな声で「いただきます」と言う義母につられ、テーブルにいる全員が「いただきます」と言って食事が始まりました。

義姉は真っ赤な顔でTさんをにらみつけ、「こんなの食べたくない!」と言って部屋を出て行ってしまいました。

「さあ、お誕生日のお祝いしようね」
誰も義姉を追うことなく、きょとんとした義姉の子を中心にお誕生日会が開催されました。

その後、義姉の子は毎回食事の際に「いただきます」の言える良い子に育っているそうです。

誰が作ったか、お金を出したかではなく、食べ物に対する感謝の気持ちを忘れてはいけませんね。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子

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