バスや電車で、立っていられないほど具合が悪くて座席に座っていたのに、目の前にお年寄りや体の不自由な人がいて気まずい思いをしたという人もいるのではないでしょうか。見た目だけではわからないため、他の人に譲るように言われることもありますよね。今回は私が目撃した、バスの座席トラブルのお話です。

バスを降りてから……

そのうちにバスは私の目的のバス停に着きました。
「よっこらしょ……」
座っていた若い女性も、足をかばうようにゆっくりと立ち上がりました。

足を怪我しているのは本当なんだなと思い、足をひきずりながら出口へ向かうその女性の後ろから、ついていく形でバスを降りました。

「え、えええ!?」
私は目を疑いました。

なぜならバスを降りるまで足を引きずっていた女性が、バスを降りるなり軽快に走り出し、そのまま信号を渡って行ったからです。

「足を怪我してるなんて、ウソだったんだ……」
私はぽかんとして、小走りで去って行くその後ろ姿を見つめていました。

足を怪我しているふりをしてまで、席に座りたかったのでしょうか。私には全くわかりません。

もちろん、見た目は若くて元気そうな人でも実は怪我をしていたり、具合が悪かったりすることもあります。全てが彼女のような人であるとは言えませんが、とてもびっくりしてしまいました。

非常にモヤモヤする出来事ですが、自分ならどうするかを考えさせられた一件でした。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子


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