健康的にダイエットをして痩せるのは良いことですが、病気でガクッとやつれたのを人から「痩せた」と指摘されるとなかなか複雑な気持ちになりますよね。今回は病気で痩せたことに変な勘違いをされてしまった経験のある私の知人Oさんに聞いたお話です。

デリカシーゼロのご近所さん

「あらOさんじゃない! 久しぶりねー!」
しばらくすると、ずけずけ物を言うことでご近所でも有名な、Sさんという人がその井戸端会議に加わってきました。

「随分痩せちゃったじゃない、どうしたの?」
Sさんの言葉に、その場にいた全員の表情が硬くなりました。Sさんにも病気のことは話していたはずですが、どうやらすっかり忘れているようでした。
「まあ、ちょっと……」
「そういえば最近見なかったもんね、ダイエット合宿でも行ってきたの? でもちょっと痩せすぎね、不健康だわ!」
「はあ」
「で、どうやって痩せたの? ダイエット法教えてよ、私もダイエット中なの!」
言葉を濁すOさんに、なおもSさんは続けます。
「まさか旦那さんの他にオトコでもできたんじゃないでしょうね? それなら私は無理よ、こんなおばさんだし! 誰も相手にしないから!」

闘病生活を送っていたのに、まさか不倫を疑われるなんて。さすがにOさんは言葉を失ってしまいました。

「Sさん、やめなさいよ! ちょっとデリカシーなさすぎよ」
「本当にそうよ! だいたいあなたっていつも、気遣いがなさすぎるわ」
他の奥様達が口々にSさんを責め、Oさんがなんとかとりなしてその場を離れました。

その後Oさんの体調はみるみるうちに回復し、今では体重も健康的な体重に戻ったとのこと。デリカシーゼロ発言をしたSさんからはきちんと謝罪されたそうです。

闘病していたということを忘れてしまっていただけかもしれませんが、あることないこと言われる筋合いはありませんよね。人の事情も知らないのに、妙な憶測でベラベラ話してはいけませんね。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子

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