学校のPTA役員決めは、やりたい人がいれば問題ありませんが、皆がやりたくない場合のあの重苦しい雰囲気は嫌なものですよね。共働き世帯の多い筆者の息子の学校では、毎年バトルが繰り広げられていて……これはある年の役員決めで大喧嘩が始まった時のエピソードです。
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PTA役員決めの暗黙のルール

私の息子の学校は、全校生徒が100人程度の小さな学校です。各学年1クラスしかないので、クラス委員がそのままPTA本部の役員のようになってしまいます。

低学年の頃はお手伝い程度だったのですが、4年生以上になると会長・副会長・会計の三役に就く確率がグンとアップします。

『6年間で一度はクラス委員をやる』というルールがあるのですが『兄弟姉妹がいる場合はどちらかでやれば…』という暗黙のルールもあり、クラス委員決めは学年が上がるごとに紛糾していたのです。

5年生の保護者会

息子が5年生になったばかりの保護者会で、さっそくクラス委員決めが始まりました。
5年生にもなると、クラス委員になったらPTAの三役になってしまう可能性が高いので、いつもの年よりも決まらない雰囲気が漂っていました。

息子のクラスは共働きの世帯が多く、学校行事にも積極的な人が少なかったので、みんな『やりたくない』オーラ出しまくり……。

結局1年生から4年生までの間でクラス委員をやった人、兄弟姉妹の学年でクラス委員やPTAの本部役員をやった人を除いた保護者で、くじびきをすることになりました。

Bさんの言い分 VS 暗黙のルール

そこで1人目のクラス委員に決まったのはBさん。歯科衛生士の仕事をしていて『土曜日も出勤の日があるし、帰りがいつも20時近くになるので役員はできない』と4年間逃れ続けてきた人でした。

Bさんはどうしてもクラス委員をやりたくなかったのか、急に別の保護者であるAさんを攻撃し始めたのです。

「Aさん、あなたも4年間クラス委員やってないわよね? 私は忙しいんだから、あなたがやってくれない?」

実はAさん、昨年卒業したお兄ちゃんのクラスでクラス委員になり、PTAの本部役員もやっていました。そのためくじびきには参加しなかったのですが……。

「兄弟のいる・いないは関係ないと思う! クラス単位で考えるべきなんじゃないの?」

Bさんはものすごい勢いでAさんに攻撃を続けました。

女同士の闘い

Bさんに名指しで批判されたAさんも黙っていませんでした。

「あなたは普段あまり学校に来ないから知らないかもしれないけど、私は去年本部役員の会計をやったの! 本部役員までやればクラス委員は免除って言われてるでしょ!」

どうやらBさんだけではなく、Aさんも気の強いタイプだったようです。そこからは怒鳴り合いが始まり、しばらくするとお互いに肩をどつき合うような掴み合いの喧嘩に発展!

私はBさんの隣に座っていたので気付けばこの大喧嘩に巻き込まれ、カバンを踏まれたりぶつかってはじき飛ばされたりする羽目になりました。

怒られた2人

「いい加減にしてください!」

2人の様子を黙ってみていた担任の先生が急に怒鳴りました。普段大人しい先生だったので、一瞬でその場は沈黙……。
「恥ずかしいと思わないんですか!」と怒られた2人はシュンとして席に着きました。

呆れたのは先生だけではなく、他の保護者も同じだったよう。「私たちやりますよ」と2人の保護者が立候補して、クラス委員決めはあっさりと決着しました。

その後……

教室での掴み合いの大喧嘩は、瞬く間に学校中に知られることとなりました。確かに学校の役員はデメリットも多いですが、暴力はよくないですよね。BさんだけではなくAさんも危険人物としてのレッテルを貼られ、他の保護者たちから距離を置かれてしまったのは言うまでもありません。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:RIE.K


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