妊娠は病気ではない、とよく言いますが、病気ではないにしても普段とは体調が全く違いますよね。精神的にも肉体的にも大変な時期だというのに、妊娠が原因でハラスメント被害に遭うことも多いといいます。今回は妊娠中、思わぬ人からマタハラに遭ってしまった私の知人、Oさんから話を聞きました。

救世主登場

「……よくもこんなデカい声で悪口言えるわね、自分たちだって子どもいるのに」
ふいにOさんの後ろからそんな声が響き、振り返るとそこには管理薬剤師である薬局長が立っていました。
「これはマタハラよ。私も受けたことがあるから許せないわ」
実は薬局長も2児の母で、それゆえにOさんに親身になってくれていたのでした。
「Oさん、ちょっとどいてくれる?」
薬局長に言われるままOさんがドアの前から離れると、薬局長はわざと大きな音を立ててドアを開け、中に入って行きました。

「いい加減にしなさいよ! あんたたちだって同じ母親なのに、なんでそんなこと言えるわけ!?」
大きな声が響き渡り、Oさんはそれを背中で聞きながらその場を離れました。

その後Oさんは、薬局長にめちゃくちゃ叱られたパート仲間たちから謝罪を受けたのと、薬局長のサポートもあり、臨月近くまでパートを続けることができました。

意外な人からのマタハラ発言はかなり堪えたそうですが、妊娠中の身体のつらさを理解してくれる人がいて良かったですね。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:緑子


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