この世の中には理屈で説明のできない珍現象があります。信じていなかった人でも、実際に遭遇した時にどう感じるのか……。これは筆者が実際に高校時代に経験した不思議で怖いお話です。

合宿の夜

そんなウワサがあっても、合宿は予定通り行われました。女子高だったので女子ばかり30名。それは賑やかな合宿でしたが、何となく「夜は早く寝よう」という雰囲気が漂っていました。

2日目の朝、何人かの先輩が「女性の泣いているような声が聞こえた」と話していました。聞こえたと話すメンバーは10人ほど。「ちょっと気味が悪いね」と言っていましたが、特に何もなく1日を過ごしました。

3日目の朝は昨日と少し様子が違いました。何人ものメンバーが「赤ちゃんの泣き声や男の人の怒鳴ったような声が聞こえた」と言うのです。中には眠れなかったというメンバーもいて、全体のムードが悪くなってきました。

ものすごい音

その日の夜、私は大きな音がした気がして目が覚めました。
でも何かが落ちたとかそんな音ではなく、人の声だったのです。

背中がゾクッとするような感覚と冷たい汗が出てくる感覚……そんなことは初めてでした。

ふと気が付いて周りを見ると、同じ部屋に寝ていた5人のメンバーもみんな起きていました。赤ちゃんの声・女の人の悲鳴・得体のしれないうめき声、それぞれ聞いた音は別々でしたが、既に眠れないくらい大きな音が聞こえてきたのです。

顧問への報告、そして

4日目の朝にみんなで顔を合わせると、どの部屋でも同じ現象が起きていました。部長の判断でこれは顧問に報告すべきだという話になり、先生に相談。はじめはキツネにつままれているような顔をしていた先生も、全員が同じことを言っているので、信じる気になったそうです。

得体のしれない何か……原因が究明できない以上、このまま合宿を継続するのは無理だと判断した顧問の先生は、合宿を中止して帰宅するようにと部員に告げました。

うちの部活だけ

後日、同じように学校内で合宿をした部活の人たちに話を聞きましたが、そんなことがあったのはうちの部活だけだったことがわかりました。顧問の先生もいろいろ調べてくれたようですが、結局原因は不明。その年を最後に、私たちの部活の合宿は校内で行うことはなくなりました。

隣に墓地があることが原因だという人、仏教系の学校だから何かを伝えに来ていると言う人。さまざまなウワサがありましたが、なぜうちの部活だけだったのかという理由は分かりません。でもあの時の何とも言えない恐怖は、今でも覚えています。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:RIE.K


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