通勤ラッシュ時の電車内はギュウギュウですが、毎日乗っているのですっかり当たり前の日常となっている方も多いのではないでしょうか。しかし、通勤ラッシュに慣れていない親子にとっては、混雑極まりない車内は地獄の世界かもしれません。私が電車通勤していたころのエピソードを紹介します。

「おまえらみんな埼玉県民だろ!」とディスる父親

皆が気を遣っているのに、父親は苛立ちを募らせます。
ついに、大きな声で

「ふざけんな! どうせおまえらみんな埼玉県民だろ!」

と今度は突然埼玉をディスり始めました。私は埼玉県民。親子が乗ってきたのは確かに東京都内の駅でしたが、だからってなぜ埼玉を……。

突然の埼玉ディスりに唖然とする乗客。『●んで埼玉』のような理不尽な暴言に、思わずプッと笑いを堪えるため、下を向く人も。

しかも、混雑が激しくなる乗換駅の路線は、埼玉も通るものの千葉方面の人も半分はいるはず。
「全員が埼玉県民って訳ではないぞ……。」と心の中で思わずツッコミを入れる私。すると、私の前に座っていた女性と目が合いました。彼女が苦笑いしているように感じたのは気のせいでしょうか。なんとなく同志を見つけた気持ちになりました。

結局父親は黙殺された

なお、しばらく「だから埼玉県民は!」「田舎者が!」と愚痴っていた父親。埼玉に個人的な恨みがあるのかもと疑いたくなる剣幕。
一方、埼玉県民は立ち上がり反発!──…なーんてことにはならず、周囲は相手にせずいつも通り静かなまま。母親に「もうやめてよ」と言われて、父親は黙殺されるかたちで静かになりました。

通勤ラッシュに慣れていないと、あまりの混雑にビックリしてしまうでしょう。赤ちゃんを守るのに父親も必死だったのかもしれません。私にはベビーカーの周りに乗っていた乗客が赤ちゃんをつぶさないよう気を遣っていたことがわかりましたが、人の親切心は伝わらないこともあるのだなぁと思いました。

車内に散らばる埼玉県民と、なんとも言えない連帯感を感じる出来事でした。埼玉県民のみんな、東京でも逞しく生きていこうぜ(笑)

ltnライター:ききた

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