不倫をしている当人同士はひた隠しにしているつもりでも、ひょんなことから不倫が発覚して、大騒ぎになってしまうことがあります。
今回が意外なことから旦那さんの不倫が発覚した私の知人Tさんのお話です。

「どうしたの?」
「いや、あの絵を描いた子って確かお母さんと2人暮らしだったような気がするんだよね。お母さんの彼氏かな」
「そうじゃない? 彼氏さんがきっとうちの旦那に似てるのね」
Tさんはその子の絵をじっくりと眺めました。

「いや、どう見てもうちの旦那だな……」
その似顔絵を描いた子は相当に絵が上手なのか、Tさんの子が描いた似顔絵よりずっと旦那さんによく似ているのです。

お気に入りの服や髪型、鼻の横にある小さなホクロまで一致しているので、Tさんはますます疑問に思わざるを得ません。
「まさか……」

お店に行ってみると……

授業参観にその絵を描いた子の母親は来ていなかったため、Tさんは他のママ友にその母親が経営している飲食店の名前を聞き出しました。

子どもが描いた似顔絵が自分の旦那に似ているからといって、その母親に会って聞いてみていいものかどうか悩んでいると、旦那さんから電話がかかってきました。

「今日は職場のみんなで飲みに行くから、先に寝てて」
「わかった……」
Tさんは電話を切ったあと、子どもを連れて外に出ました。
「今日は晩御飯、お外で食べよっか」
「うん!」
ママ友に教えて貰った例の母親の店は、小さな洋食屋さん。子どもの食べるものもあるだろうし、とりあえず見に行ってみようと思ったのでした。

「いらっしゃいませ!」
店のドアを開けると、細身で小柄な女性が出迎えてくれました。そのお店はカウンターが6席とテーブル席が2つの狭いお店で、他にお客さんは誰もいません。

「こちらへどうぞ」
女性はテーブル席にTさん親子を案内しました。きっとこの人が母親なのだろうとTさんがその女性をじっと見つめた瞬間、店のドアが開いてひとりの男性が入ってきました。

「よう、また来たよ」
「いつもありがとね、カウンターでいい?」
「うん、ビールちょうだい」
その男性客は随分その女性と親しいような口ぶり。出入り口に背を向けて座っていたTさんはその男性客の声を背中で聞いて、どこかで聞いたことがある声だと思っていました。

「パパ! ねえママ、パパがいるよ」
「えっ!?」
子どもがTさんの背後を指さしてそう言うので、Tさんは慌てて振り返り、その男性客を確認しました。

「ちょっと、アナタ!!! 」
それは紛れもなく、Tさんの旦那さんでした。
「お、お前たちなんで……」
「アナタ、職場の人と飲みに行ったんじゃなかったの!?」
「そ、それは……」
2人が夫婦であることを知り、女性は慌ててカウンターから飛び出してきました。
「奥さん、すみません!」

不倫発覚!

女性は「子どもさんが聞いたら良くないから」とTさんの子どもを店の2階にある住居に連れて行き、例の似顔絵を描いた子と遊ばせておくことにしました。

「やっぱりあの似顔絵、あなただったのね」
「似顔絵?」
Tさんは子どもたちが描いた、お父さんの似顔絵を写した写真を旦那さんに見せました。
「あなたいつからこの子のお父さんになったのよ」
「それはその……」

戻って来た女性は店を閉め、Tさんに向かって深く頭を下げました。
「ご主人はよくこの店に来てくださっていて、うちの子とも遊んでくれて……」
女性が言うところによると、一度職場の飲み会をこのお店で開催してから旦那さんがよく来るようになり、一度酔いつぶれて2階の住居に泊まったのがきっかけで、男女の仲になったとのこと。

「ごめん……」
旦那さんはひたすらTさんに謝罪をして、その日はお酒も飲まずに3人で帰宅しました。

Tさんは子どもたちがクラスメイトであることを考え、相手の女性に慰謝料や子どもの転校を要求するのはやめました。

そして旦那さんはもう2度とその店に行かないことを誓い、真剣さを示すためにトレードマークのパーマをきれいに剃ったそうです。

子どもの似顔絵という意外なところから、不倫が発覚してしまうこともあるんですね。

ltnライター:緑子


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