静粛なお葬式。故人を偲んで涙を流すことも多いですが、作者の友人の息子くんは違いました。一人だけ微笑み、クスクスと笑い出したのです。作者の友人は、その光景に思わず、ギョッとしたのですが、息子くんに笑顔の理由を尋ねたら、少しばかり納得したようです……。
画像: ftnews.jp
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実母と同居しておりました

私は一人娘でした。そのため、結婚は婿取りでした。一個上の男性と職場で知り合い、お付き合いがスタート。順調に交際し、付き合って半年後に籍を入れるというスピード婚でしたが、特に問題もありませんでした。私の実家に旦那とともに住み、妊活をしているうちに子供を授かりました。

実母は孫を大変可愛がってくれました

男の子を授かり、とても健康で元気のいい子が生まれました。
私の父親は、孫を抱けずに癌で亡くなってしまいましたが、実母は健康そのもので息子出産時は58歳でした。孫をとても可愛がってくれていました。
おむつ替えをしてくれたり、お昼寝のときにあやしてくれたり、と大変助かっていました。

実母の日課はラジオ体操

実母の健康の秘訣はおそらくですが、ラジオ体操だったと思います。午前に一回、午後に一回、テレビの前で行っておりました。その体操に息子が参加することもありました。
そんな実母ですが、ある日突然亡くなってしまったんです。朝、起きてこないから変だなぁと思って実母の部屋に行ったんです。そしたら冷たくなっていました。

死因は心臓発作だったんですが……

実母の死因は心臓発作だったんですが、享年68歳でした。大往生だと思います。
私はお葬式の席で涙を流しましたが、息子は全く泣きませんでした。
息子に理由を尋ねると、「おばあちゃんはまだ生きてる。だって棺桶の上で、いっちに、いっちに、ってラジオ体操してるもん」と言いました。
火葬後も、おばあちゃんは、まだ生きてるよ、と嬉々として言うのです。
息子の話によると、「おばあちゃんは時々、おばあちゃんの部屋でラジオ体操してる」と話してくれました。息子の中で、実母は、どうやらまだ元気で生きているみたいです。

ftnコラムニスト:サンマ雲


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