夫婦には本人たちにしか分からない暗黙の了解があるものです。ほかの人から見ると奇妙なことでも、夫婦の中では成り立っていることって案外たくさんありますよね。
というわけで今回は、不思議な距離感を保つ友人夫婦のエピソードをお届けします。

カフェで偶然出会った友人。「1人?」と聞くと

先日、近所のカフェに出掛けたときのこと。
カフェの中で偶然友人に出会いました。窓際のテーブル席に座ってコーヒーを飲みながらゆっくり読書していたので「1人?」と聞くと、「ううん、旦那と来てるよ~」と答える友人。
しかし、その旦那さんが見当たりません。

え、じゃあ旦那はどこ?

席を外してトイレにでも行っているのかな? と思いましたが、どうもそうでもない様子。
私の不思議そうな表情を察したのか、友人は「あ、旦那はあそこにいるよ」と教えてくれました。

友人が指差す先を見ると、少し離れたカウンター席にたしかに彼女の旦那さんの姿が! どうしてあえて別々に座ってるの?!

不思議な距離感……でも理由を聞いて納得!

「一緒に来てるのに別々で座るなんて……もしかして喧嘩でもした?」思わず踏み込んだことを聞いてしまった私に、友人はにこやかに夫婦で別々に座る理由を説明してくれました。

「1人の時間はほしいけど、同じ空間に相手がいるとなんだかお互いに落ち着くんだよね。だから一緒にカフェに来て、別々に座ってそれぞれ好きなことしてるの。帰るときはまた一緒に帰るよ」

夫婦の形は人それぞれ

その話を聞いたとき、すごく素敵な夫婦だなぁと思いました。
結婚は多かれ少なかれ自分1人の時間が減ってしまうもの。でもこの夫婦はそれぞれが自分の好きなことを楽しみ、同時に一緒にいることで落ち着きや安心を感じているのです。

なくてはならない空気のように、お互いがお互いのことを自然に必要としている関係って貴重ですよね。きっと、積み重ねられた信頼がそんな「夫婦だけの価値観」を作り出しているのでしょう。

ftnコラムニスト:藍沢ゆきの

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