「母親が再婚をする」――。子供はいったいどう思っているのでしょう。A子は「母が幸せになるのなら大賛成」と思ったそうです。しかし、1つだけ心配なことがありました。それは母親が籍を入れずに事実婚という形をとったことです。実はそこには、母親のA子に対する思いがこもっていました。
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父が亡くなった

A子は10代のころ父親を亡くしました。
突然の出来事で、頭が真っ白になったそうです。

3人姉弟の一番上と言うこともあり、父親が亡くなった当初は自分がしっかりしなくてはと思っていました。

母親の苦労を一番近くで見てきたA子は、母が幸せになるのならどんなことでも受け止めようと思っていたのでしょう。

姉弟3人で母を支える生活は、貧しかったけれど楽しかったと振り返ります。
そんなある日、母親がA子に話があると言ってきました。

母が再婚をする

父親が亡くなって10年が過ぎたころ、A子も弟達も立派な社会人になっていました。

3人共母親から自立して、立派に一人暮らしを始めたころ、
A子は母親から「母さん再婚してもいい?」と告げられたそうです。

突然の母の告白でしたが、A子は即答。
「母さんが幸せになるなら、賛成に決まってるよ。ただ、弟たちに話すのはもう少し待ってくれる?」

弟たちは母親の恋愛に対して、違和感を持つのではないかとA子は心配したそうです。
しかし、弟たちに母の再婚話をすると「賛成に決まっている」と嬉しい答えを返してくれました。

母の再婚は事実婚

再婚相手の第一印象は「真面目なおじさん」という感じで
この人なら、母を大切にしてくれると思ったそうです。

しかしA子には1つだけ心配事がありました。
母の再婚は、籍を入れない夫婦のカタチをとるというものでした。

(それじゃあ同棲と一緒じゃない。母には何も残らない)
(母を本当は大切に思っていないの?)
(母をただ家政婦代わりにしようとしてるだけ?)

いろんなことが脳裏をよぎりました。
しかし真相は、A子が思っていたこととは違っていました。

事実婚は母からの提案だった

実は、籍を入れない事実婚のカタチをとることは、母からの提案でした。
その理由を聞くと、子供たちのことを一番に考えている母親の気持ちが溢れているのがわかります。

まだ結婚をしていない子供たちのため、苗字が変わることを避けたかった。
結婚という形に縛られず、いつでも自由に子供たちのところに行きたかった。
再婚相手が先に亡くなった場合、遺産相続で揉めたくなかった。
そして最後は、亡き父の親族を切りたくなかった。

というものでした。

一番に子供たちのことを考え、事実婚という夫婦のカタチを選んだA子の母親は賢かったと思います。

死別同士の再婚の場合、お互い背負っているものが多くて大変です。

それならA子の母親のように、籍を入れない事実婚という夫婦のカタチがしっくりくるのかもしれませんね。

ftnコラムニスト:立花彩夏


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