リアルな友人には言えない悩みも、インターネットで仲良くなった人には言える、ということはありませんか? 顔が見えない分、なんでも話しやすいのかもしれませんね。今回はネットで知り合った友人と、意外なつながりがあることがわかったという経験をした私の友人Kさんのお話です。
画像: ftnews.jp
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ネットで出会ったママ友

Kさんは当時20代後半の主婦。最初の子を出産してすぐに旦那さんの転勤が決まり、誰も知り合いのいない土地で子育てをすることになってしまいました。

旦那さんは毎日仕事で帰りが遅く、友人もまだ子どものいない人ばかりだったので子育ての相談をすることもできず、KさんはSNSを利用して、自分と同じように育児の悩みを抱えている人と交流していました。

その中でもKさんが特に仲良くなったのは、年齢の近いシングルマザーの女性、Eさん。なぜかとても気が合ったので、SNSではなくLINEを交換して毎日のように連絡を取り合っていました。

「今日は初めて子どもを連れて広い公園に行ったよ」
ある日、Kさんが公園の写真付きでメッセージを送ると、意外な返事が返ってきました。
「ここうちからめっちゃ近い公園だよ! もしかして住んでるとこ近いんじゃない?」
そういえばお互いに住んでいる場所を言っていなかったことに気付き、お互いの居住地を確認すると、なんとKさんとEさんは隣町に住んでいることがわかったのです。

シンママに彼氏が……

せっかく近くに住んでいるのだから、1回会ってみようということで、2人はちょうど中間地点にあるショッピングモールで待ち合わせをしました。
「はじめまして、Kです!」
ネットで知り合った人と会うのは初めてでしたが、ずっとやりとりをしていたので前からの知り合いのように2人は打ち解け、それからは公園やショッピングモールなどでよく会うようになりました。

「ねえ、実はちょっと聞いて欲しいことがあるんだ」
いつものようにショッピングモールでお茶をしていると、突然Eさんは神妙な顔で言いました。
「どうしたの?」
「私、彼氏できちゃったの♡」
「わあ、いいじゃん!」
Eさんはシングルマザーですから、恋愛は自由です。Kさんは素直に祝福しました。
「向こうもバツイチ独身なんだけどさ、結構イケメンなの!」
「えー、写真ないの?」
「あるよ、見て!」
Eさんがスマホの画面を見せてきた瞬間、Kさんの顔がひきつりました。その写真はEさんと、その彼氏だという男性が仲睦まじく肩を寄せ合っている写真です。しかし問題はその男性です。
「この人……もしかして〇〇さんって名前?」
「うん、どうして知ってるの? もしかして知り合い?」
無邪気に尋ねるEさんに、Kさんは言いました。
「ごめん、これうちの旦那……」
そう、その男性はKさんの旦那さんだったのです。
「ええっ! アプリでは独身だって言ってたのに……?」
どうやら2人はマッチングアプリで出会ったようでした。Kさんは旦那さんが独身だと偽ってマッチングアプリをしていたことを丁寧にお詫びし、もう会わないで欲しいということを告げてその日は解散しました。

「ただいまー」
「おかえり」
いつも帰りが遅い旦那さんが、皮肉にもその日は早く帰ってきました。きっとEさんにデートを断られたのでしょう。
「ねえ、あんたいつから独身になったの?」
「……え?」
Kさんは自分がEさんの友人であることや、彼氏ができたと言われて旦那さんの写真を見せられたことについて追及しました。
「何がバツイチ独身よ! ほんと最低!」
「ごめん……つい出来心で」
「出来心で人の心を弄ばないでよ!」
Eさんは旦那さんと真剣に恋愛をしようとしていたのだと思うと、なおさら独身だと偽っていたことが許せなくなったKさん。旦那さんからEさんにきっちりと謝罪のLINEを送らせました。

Kさんはその後もEさんと「同じ男を愛した仲だから」とより親しくなり、子どもが大きくなった今でもたまにランチやお茶をしているとのことです。

ネットでの出会いは手軽な分、長続きしにくいイメージがありますが、このような事件を乗り越えても続く縁があるって素敵ですね。

ftnコラムニスト:緑子


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