お腹がすいているとき、大抵の人はイライラするもの。作者が出くわしたのは
空腹時になると、ヒステリックになるおばさんです。
喫茶店で、「ちょっと、何やってんのよ。スパゲッティ早く持ってきてよ!」
と大騒ぎ。そのおばさんは巷では結構有名な方なのです。
スーパーのお茶飲みスペースで、「私の旦那は脳神経外科医なのよ」などと、
ハイスペックな男の人と結婚していることを言いふらし、「新車を買った」だの「ウナギのかば焼きを食べてきた」だのとお金持ちアピールも欠かさないんですが……。
画像: ftnews.jp
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医者夫人であることを自慢気に言いふらす

地域に密着したスーパーのお茶飲みスペース。そこに突如現れた黒づくめの
おばさんに常連のおばあちゃんや、おじさんたちはたじたじでした。
なぜなら、自慢話を延々と聞かせるからです。給茶機のお茶を紙コップで汲み
お茶を飲みつつ、「私の旦那は脳神経外科医で、私が朝四時に起きて
旦那のお弁当を作っている」「旦那の送り迎えは私が外車でしている」
「この前、高級料亭に行ってきた」等の自慢話のオンパレードです。

だんだんと誰も相手にしなくなり……

最初は物めずらしさもあって、お茶飲みスペースの常連のおじさんたちは、
医者夫人の話を、ふんふんとうなずきながら聞いていたのですが、何時間も
自慢話ととれる話しかしないので、だんだん嫌になり、誰も相手にしなくなって
しまいました。ついたあだ名が「医者夫人」。
医者夫人が来ると、みんないそいそと逃げるように席を立つのでした。

一人でご飯に行くようになる医者夫人。

最初こそ、女の人の友達がいた医者夫人ですが、最後には一人ぼっちに
なってしまいました。私は何度か喫茶店でお見掛けしました。
そのうちの一回にはなりますが、医者夫人が料理の提供時間に関して
大きな声で文句を言っていました。どうやら、自分よりあとに頼んだ人のほうが
早く料理が来たというのです。

何やってんのよ、早くスパゲッティ持ってきてよ
と店員を怒鳴りつけ……

「何やってんのよ、早くスパゲッティ持ってきてよ!」
と店員を怒鳴りつけていました。店員はまだ若い女の子。萎縮していました。
周りのお客も驚いた顔で医者夫人を見ています。
そんな中、大学生と思しき男の子が、とっさの一言。
「そんなにお腹すいてるんですか? 僕のパスタ食べます?」と。
これには医者夫人も面食らって真っ赤な顔をしていました。
「いらないわよ」と言っておとなしくなりました。

ftnコラムニスト:サンマ雲


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