幼稚園の役員活動が盛んだと、トラブルリスクも高くなるものです。私が幼稚園の役員をしたとき、立候補して会長になったママ友が大変な状態になってしまいました。最終的には園長先生を巻き込んだ大きなトラブルに……。
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高い志で役員会長に立候補したママ友

息子が通う幼稚園は役員活動がとても活発でした。共働き家庭が増えているため、役員活動は保護者の大きな負担です。そこで、ママ友Aさんが「役員活動をスリム化する! 」と立ち上がり、会長に立候補します。役員活動が削減されれば、保護者も喜ぶだろうと思っていたのです。

暴走気味で役員仲間から反発を受ける役員会長がうつ状態に

しかし、既存の動きを大きく変えるのはとても大変! 私は本部役員の書記担当でしたが「不要な仕事だな」と思うものでも、削減しようとするとどこからか苦情が入ります。たとえば、今までとっていたアンケートを止めると「今年はなぜないのか? 」と問い合わせが入るのです。

役員活動のスリム化は、想像以上に強い風当たりを受けました。皆役員をやりたがらないのに、例年通りの活動をしないと、なぜか文句が出るのです。そのため、役員活動スリム化のための業務が増えてしまいます。会長は役員たちに指示を出しますが、余裕がないせいか言葉も強くなり、次第に反発を受けるようになりました。そのストレスで、会長はまるでうつのような状態になってしまったのです。

心配した本部仲間が「園長に相談する! 」と言い出した

会長は突然泣き出すほど情緒不安定になりました。それでも役員の仕事を続けます。私は心配で家に送ったこともありましたが「役員のことが頭から離れない」と泣きながら言う会長に、このまま役員活動を続ける不安を感じました。「大丈夫だから今は休んで」と伝えましたが、真面目な会長にはそれが難しいようです。

本気で心配した本部メンバーは「園長先生に相談しよう」と言い出しました。園長先生から会長に役員活動を辞めるように言ってもらう考えのようです。慌てて止める私。役員活動は保護者の独立した会で、表向きでは幼稚園はノータッチとなっています。ママ友同士のいざこざを相談される園長先生も困ってしまうでしょう。

園長も巻き込んで大きなトラブルに……

しかし、本部メンバーは結局園長先生に伝えてしまいました。予想通り園長先生は困惑。「私が辞めるように言う権利はない」と断られてしまいます。それでも、会長と園長先生は会話する機会が多く、様子が変わっていくことには気づいていたようです。園長は体調を気遣う言葉がけをしてくれました。

その後、本部メンバーが園長先生に相談したことが会長にバレてしまいます。完璧主義者の会長は大ショック。「なぜ勝手に相談したのか」と取り乱し、大変な騒ぎになりました。その姿を見て、本部だけではなく役員全体が会長の異変に気付き、一気に協力体制に。皆に支えられて会長は復活し、どうにか任期を全うしたのでした。

一生懸命取り組む会長の熱意は素晴らしいですが、フォローするのはとても大変だったのをいまでも覚えています。役員やPTA活動は、ほどほどの精神でやったほうが上手くいくと学んだ出来事でした。

ftnコラムニスト:ききた


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