不倫サレ夫の場合、現実逃避派と復讐派に大きく分かれるのではないかと思います。現実逃避派の男性は、妻の不倫をなかったものと考えがちで、自分を攻めてしまうようなところがあります。一方復讐派の男性は、妻を追い詰めることに命をかけるようなタイプ。これは筆者の長年の友人が、実際におこなった妻への復讐劇です。

同級生は不倫”サレ男”

今も仲良くしている、高校の同級生H男の話です。H男は文科系男子でインテリ。その上ユーモアがあって面白い男なので、高校時代から女子にモテていました。

小中学生のころと違って、高校になると女子も見た目だけで男の子を選ばなくなってきます。中学までは非モテだったおとなしい系の男子も、文化系の部活内で突如女子にモテだすようなことってありますよね。とくに、後輩女子の間で人気が出たり。H男はまさに、そのタイプでした。

私とH男はクラスは隣でしたが、同じ部活の仲間でした。大学受験のときもお互い励まし合い、恋愛相談もするくらいの仲でした。

そんなH男は、私よりも数年早く、2歳年下の女性と結婚をしていました。そんなH男から、久しぶりに掛かってきた電話で、私はH男の奥さんが不倫をしているという話を聞きます。

現実逃避する夫はこう出るが……。

浮気をされた男性というのは、大きくタイプが分かれると思っています。

ひとつは、浮気された現実を受け止めきれずに、現実逃避するタイプ。自分の周りの環境が変わってしまうことを受け入れられないので、平常心を装いつつ、とにかく日常を送ろうとします。

このタイプの場合、さんざん悩んで心の中に溜め込んだあとでも、何かきっかけがない限りは「浮気を知っている」という事実を話したがりません。

逆に面倒なのは、復讐派の男です。

人生詰む! 復讐派の男は怖い!

プライドの高い男性の話をよく耳にしますが、復讐派の男は個人的にとにかく怖く感じます。表面上とその仮面の下の顔が、全く別人なのが復讐派の男。「あの人がこんな犯罪を起こすなんて……」と語られるのも、普段外面のよい人のことが多いようです。

よくテレビで「まさかあの人が……信じられない」と近所の人に言われているのが、復讐派タイプの男性です。

H男の場合、浮気の復習をするとき「妻を苦しめるためには何でもやる」「妻を苦しませるためならば誰だって利用してやる」というくらいに腹を立て、徹底していました。

H男はもともと頭も切れるところがあり、まさにこの「復讐派」タイプだったのです。

不倫の結末、H男のその後

妻の不倫を知ったH男の取った行動は、徹底的に相手を叩きのめすものでした。ちょっとやりすぎでは?と感じたこともありますが、その勢いは私には止められるものではありませんでした。

H男はまず、奥さんの職場に電話をかけて、会社に不倫の事実をばらしました。間もなく会社を辞めさせられた奥さんが、再就職のために面接を受けに行った会社にも、面接日よりも先に電話をして、奥さんの不倫の事実をばらしていました。もちろん奥さんは、なかなか再就職がかないません。

当然のように、奥さんの実家にも電話。冷淡に状況説明をし、言い訳を挟む隙すら見せません。探偵と弁護士を雇って、不倫の証拠を徹底的に洗い出したH男に勝てるはずもありませんでした。H男はそれと同時に、子供の親権獲得のために動き出してもいました。

まもなくH男は、目論見通りに子供の親権を手にしました。また、子供の養育のために必要不可欠と言うことで、住んでいた自宅をそのまま自分のものにし、離婚を成立させました。

H男の中では妻の離婚を知った瞬間から、子供の親権を取って離婚すると決めていたのでしょうね。本当に潔いものでした。

妻の浮気を知ったときに、真っ先に社会的に相手を潰すことを選んだH男。その行動には一寸の迷いすらもなく、あまりに潔い決断だったとある意味感心したと同時に、恐ろしさすら感じました。

ftnコラムニスト:叶かなえ

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