お酒が入るとつい解放的な気分になり、近くにいる女性にセクハラしてしまうオジサンっていまだに結構いますよね。相手が上司だったら強く拒否できなかったりして、不快なセクハラを我慢してしまったことのある女性も多いのではないでしょうか。今回は職場の忘年会でそんなセクハラおやじを撃退した私の友人、Rちゃんのお話です。
画像: ftnews.jp
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同期入社の美人

私が新卒で入社した会社には、同期入社の仲間が10人。そのうち女性は私とRちゃんだけでした。Rちゃんは仕事ができるうえに同い年とは思えないほど色気のある女性。同期入社の男性社員の中にも、Rちゃんに憧れている男性は何人もいました。

入社して初めての忘年会は、部署ごとに新卒が出欠をとり、お店を予約して司会進行をするという決まり。同期で集まって計画を練り、私が配属された部署とRちゃんのいる部署は人数が少なかったため、合同で忘年会をすることになりました。

出た!セクハラおやじ

「Rちゃん、相変わらず色っぽいねえ」
忘年会が始まって間もなく、私の部署の課長がRちゃんの隣りに座り、肩に手をまわして話しかけます。

実はうちの課長は酔うとセクハラをすると有名で、私も歓迎会の時にさんざん肩を抱かれたりキスをせがまれたりといったセクハラを受けたことがありました。でも上司だし、と我慢するしかありませんでしたが。

「Rちゃん大丈夫?」
Rちゃんがトイレに立ったのと同時に私も席を立ち、Rちゃんに尋ねました。
「あー、全然よ。私にちょっと考えがあるんだ」
彼女はセクハラを少しも気にしていないようにケロッとした様子で、いたずらっぽく笑いました。
「考えってなに?」
「まあ、見ててよ」
Rちゃんは私にウインクして課長の隣りに戻りました。
「あら課長、グラス空いてますね。気づかずにすみません…何飲まれます?あ、私は日本酒にしようかな」
「Rちゃん日本酒飲めるのか、なら俺もそうしよう」そう言いながら、またRちゃんの肩を抱く課長。もう少し酒が回ると、べたべたと身体に触るようになるパターンです。
「じゃあ一緒に呑みましょう!」
Rちゃんはそこからどんどん日本酒を注文し、自分も飲みながら課長にも注いで飲ませました。課長の顔が徐々に赤くなっていくのが、離れた席にいる私にも見えるほどでした。

セクハラおやじ、撃沈

実はRちゃん、ザルと言ってもいいほどの超酒豪。お酒が強いことが自慢の同期の男性と飲み比べをして、あっという間につぶしてしまったこともあります。

「うおっ…ととと」
トイレに立ち上がろうとした課長の足がふらつき、もつれてその場に倒れ込むのが見えました。お座敷でなければ怪我をしていたと思うほど、見事なズッコケ。皆が慌てて課長に駆け寄って支えました。

「課長、大丈夫ですか?怪我してたら大変!私タクシー呼びますね!」
Rちゃんはさっと携帯電話を取り出してタクシーを呼びます。お酒など一滴も飲んでないように見えるほど冷静で迅速な動作でした。

そして泥酔した課長を男性社員が抱え、到着したタクシーに乗せて帰らせました。
「ああ、これでやっとゆっくり飲める」
Rちゃんはニコニコと笑いながら、また日本酒を追加注文。

その後締めの挨拶も会計のまとめ役も見事にこなして、課長の千鳥足とは比べ物にならないほどしっかりとした足取りで帰った彼女は、今でも私の憧れです。

ftnコラムニスト:緑子


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