私が勤めていた制作会社は、繁忙期になると普通に徹夜をするような忙しい職場。
過酷な職場で離職率が高いので、毎年10人前後の新入社員を採用していました。
私の同期は女性3人、男性7人。
その中にいた一見地味で人畜無害そうな同期の女性社員が、実はとんでもない女だったのです…。

新入社員の地味子ちゃんは彼氏と同棲中の天然キャラ

私も入れて3人しかいない女性の新入社員は、あっという間に仲良くなりました。
内1人はファッションも雰囲気も地味な地味子ちゃん。
しかし、意外なことに彼氏がいて、しかも同棲中とのこと。
就職を機に上京し、同郷の彼氏と一緒に住むことにしたのだとか。
地味子はおっとりした性格で、仕事の覚えはイマイチでしたが憎めない天然キャラでした。

いつのまにか地味子ちゃんに使われる同期の男たち

入社してしばらくは仕事を覚えるのに必死だった私。
少し仕事に慣れてきたころ、私は地味子に使われる同期の男たちの存在に気づき始めます。
「あ~ん、わかんな~い」「できな~い」と地味子が嘆くと、かわるがわる同期の男たちが助けにくるのです。
しかも、入社1年目で薄給のはずなのに、地味子にランチや飲み物をせっせと驕る同期男性が何人もいました。
ある日は「私疲れちゃったからもう帰る」と言う地味子に「じゃあ送るよ」と同期男性が即席を立つのを目撃。

ちょっと待て。君たちの仕事、スケジュールめっちゃ押してるんですけど?

自由過ぎる地味子と、それに付き従う男たち。
その尻拭いをするのは私ともう1人の女性同期です。
しかし、言っての無駄とすぐに悟った私たちは、振られた仕事をひたすらこなすのみでした。

実は職場クラッシャーだった地味子

締め切りに追われて徹夜していた夜、飲み物を買おうと休憩スペースに行くと、3人の男性同期が言い争っていました。

うわ…関わりたくない…。

気づかれる前に立ち去ろうとすると、地味子の名前が。
好奇心に負けて立ち聞きする私。
なんと、3人は地味子の本命が誰かで揉めているようです。

ちょっと待て(2回目)。地味子には同棲している彼氏がいるぞ。
ちなみに、地味子は仕事を誰かに押し付けて帰宅したようで、徹夜組にはいませんでした。

本当に恐ろしい女とは…?

次の日、地味子に昨夜3人が揉めていた話をすると、悪びれずにこんなことを言い出しました。

「彼氏が長期出張でいないときに、寂しいから家に呼んだの。そしたら求められちゃって~」

地味子は3人としっかり体の関係があったのです。
笑顔で話す地味子に「浮気の罪悪感はないのか」と小一時間問い詰めたくなってしまった私。

ないんだろうなぁ…仕事を誰かに押し付けるときも屈託ない笑顔だもんなぁ…。

おっとりしているようで節操のないギャップが、男性には魅力的に見えるのかもしれません。
その後、地味子と関係を持った男性同期3人は、仕事に支障が出るほど険悪になり、結局1年経たずに辞めてしまいました。
本当に恐ろしい女って、罪悪感なく周囲を振り回せるんだなぁと学んだ記憶です。

ftnコラムニスト:ききた

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