夜勤のある仕事は、人が寝静まっている深夜に働くということもあり、不気味な体験をすることも昼間の仕事より多くなりがちなんだそう。
今回は筆者の友人が看護師として病院で働いていた際に体験したという、夜勤中のエピソードをお届けします。
画像: ftnews.jp
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穏やかに始まった夜勤

今から10年以上前、友人が新人看護師として総合病院で働いていた時のことです。研修期間を終えてついに友人も夜勤デビューすることになりました。

内科の入院病棟での勤務だったため、夜勤とはいえ時々ナースコールが鳴るだけで、それも特に緊急性はなく患者さんがトイレに行くのを介助したり、点滴を交換したりする程度。
その日は特に穏やかで、一緒に夜勤をしていた先輩看護師も「今日はツイてるね」と言っていたそうです。

仮眠室で鳴る【内線4番】

深夜2時を過ぎたころ。友人は先輩と交代で仮眠を取るために、ナースステーションから仮眠室へ向かいました。
「何かあれば仮眠室の内線か院内用の携帯を鳴らすから。内線は1番が鳴ったらナースステーションからだからね」と言う先輩の言葉を思い出しながら、内線用の電話の位置を確認して、寝ようとした時……

プルルルルルルルッ!!

静かな仮眠室に内線音が響き渡りました。慌てて飛び起きて電話機を見ると、光っていたボタンは【内線4番】。

「あれ?ナースステーションって1番だったよね。2番はミーティングルーム、3番はロッカー……4番ってどこから?」と考えを巡らせているうちに、呼び出し音は消えてしまいました。
仕方なく受話器を上げてこちらから内線4番に掛け直そうとすると……

「もしかして内線4番?!すぐ受話器置いて!」

突然、コンコン!と仮眠室のドアをノックする音が。
びっくりして入り口を見ると、先輩が「ちょっと~携帯忘れてるよ!」と呆れた顔をして立っていました。
受話器を持ったまま唖然としている友人を見て、先輩は顔色を変えて「もしかして内線4番?!」と聞いてきたそうです。「はい、さっき掛かってきたので掛け直そうと……」と友人が返答すると、いつもは冷静な先輩が声を荒げて「絶対ダメ!すぐ受話器置いて!」と言うので友人は度肝を抜かれました。

語り継がれる【内線4番】の謎

その後、先輩とともにナースステーションに戻った友人は、ゾッとする話を聞かされます。

先輩いわく、「私も新人のころ先輩から聞いたんだけど、仮眠室で内線4番が鳴っても絶対取っちゃダメ。どうなるかは知らないけど、とにかくダメらしい。だって内線4番って存在しないんだよ。どこにも繋がってないはずなの。うっかりして言うのを忘れててごめんね……」とのこと。

もし掛け直していたらどうなっていたのか……と考えると、友人は背筋が冷たくなったそうです。

その後、友人は何度も夜勤を経験しましたが、あれから2回ほど【内線4番】からの着信に遭ってしまったそう。
もちろん取らなかったらしいですが、その病院では今も新人看護師に必ず「内線4番は絶対に取るな」と語り継がれているとのことです。

ftnコラムニスト:藍沢ゆきの

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