これは、筆者の友人A子から聞いた話です。「手がかからなくて助かった」と言われ続けて育ったA子。しかし大人になって限界を迎え、カウンセリングを受けたことで“我慢していた子ども時代”に気づきます。初めて母に本音を伝えたことで、親子関係と自分自身が少しずつ変わったエピソードです。
ずっと“いい子”でいた
A子は子どもの頃から、周囲に気を遣う子でした。
一方、下の弟は手がかかるタイプで、母はいつも忙しそう。
だから、A子は自然に“迷惑をかけない子”になっていきました。
欲しい物も、泣きたい時も黙って我慢。
母が疲れていそうな時は話しかけないように気遣いました。
褒められたかったというより、困らせたくなかったからです。
母の口癖は“助かった”
母はよくこう言っていました。
「A子は本当にラクだった」
「手がかからなくて助かった」
「お姉ちゃんだからしっかりしてた」
周囲から見れば褒め言葉です。
でもA子は、どこか寂しかったそうです。
“ちゃんと見てもらえた記憶”があまりないA子。
困っても「A子なら大丈夫」で終わり、我慢してもなかなか気づかれないのです。
社会人になっても、A子はそんな“いい人”をやめられませんでした。
頼まれごとを断れず、空気を読みすぎてしまい、無理してでも期待に応えようと頑張っていました。
でもある日突然、限界が来ました。
仕事中、上司に「大丈夫?」と聞かれただけで涙が止まらなくなったのです。
自分でも理由が分かりませんでした。