今回は、B子さんから聞いたエピソードをご紹介します。「私、ADHDだから」が口癖の同僚・A美に、職場の空気が凍りついた瞬間がありました。特性を理由に配慮を求めつつ、周囲への気遣いを欠く同僚の姿に積もる不満。上司が放った、チームのあり方を変える〈ある一言〉とは──。
「私、ADHDだから」
職場の同僚A美は、ミスや遅刻が続くと「私、ADHDだから」「HSPだから仕方ないんだよね」と口にする人でした。
締切に遅れても、
「特性上、時間管理が苦手で〜」
機嫌が悪い日には、
「刺激に敏感だから、今日はちょっと無理かも」
さらには、自分の仕事を周囲に頼みながら、
「普通の人にはわからないと思うけど、こういうの本当にしんどいんだよね」
と、当然のようにフォローを求めてきます。
当初、周囲は「そういう特性があるなら大変なんだろうな」と、できる限りフォローしてきました。
ある時
しかしある日、
「病院には通っているの?」
と、別の同僚が何気なく尋ねたところ、A美は
「え? 診断とかは受けてないよ? SNSとかネットを見て、絶対そうだと思って〜」
と、答えたのです。
もちろん、とてもデリケートな問題であることは承知しています。
病院へ行くこと自体、ハードルが高い人も多いでしょう。
診断がないからといって、本人の生きづらさが嘘になるわけではありません。
ただ、職場のメンバーが少し戸惑っていたのは、診断の有無そのものよりも、「自分の大変さを理由に、周囲への配慮やチームのルールを少しおろそかにしてしまっているのでは?」と感じられた点にありました。
「繊細な人」
A美は繊細さを主張する一方で、他人のミスには厳しく、容姿いじりのような発言をするなど、無神経な発言をすることも少なくありませんでした。
その一方で、自分が少し注意されると不機嫌になったり、逆ギレしたりするのです。
遅刻や締切破りを指摘されると、
「普通の会社じゃ、生きづらいんだよね」
などと発言するときもありました。
お互いにサポートし合うことは大切ですが、一方だけが配慮を求め、チームとしての思いやりが二の次になってしまうと、どうしても周囲の心にモヤモヤが溜まってしまいます。