葬儀の場では、その人の本質がふと見えてしまうことがあります。しめやかに故人を送り出したいと願う遺族の気持ちとは裏腹に、周囲の予期せぬ言動に戸惑ってしまうことも少なくありません。今回は、筆者の友人の体験談をお届けします。
悲しみの中で響く、場違いな声
昨年、大好きだった父が闘病の末に旅立ちました。
喪失感で胸がいっぱいの中、執り行われたお葬式。
その静寂を切り裂いたのは、数年ぶりに会った叔父の声でした。
叔父は父を悼むどころか、見せつけるように高級車のキーを『ガチャン!』とわざとらしく机に置き、息子の出世や不動産投資がいかに順調かを話し始めたのです。
葬儀の場にはあまりに場違いな甲高い声で、自慢話を続ける叔父に、私は思わず眉をひそめました。
募る憤りと、居心地の悪い空気
叔父の勢いは止まりません。
ついには包んだ香典の額まで自慢し始め、周囲の親戚たちも困惑して視線を落としていました。
「父との最後の大切な時間なのに、なぜこんな話を聞かされないといけないの?」
やり場のない怒りが込み上げてきて、悔しさで、思わず涙がにじみました。
それでも、「叔父も忙しい中来てくれたのだから」と自分に言い聞かせ、私はただ唇を噛みしめることしかできませんでした。