筆者の話です。
父の通夜で、それまで姿を見せなかった親戚に思わず言葉をぶつけてしまいました。
その一言が、思いがけない形で届いていて──。
父の通夜で、それまで姿を見せなかった親戚に思わず言葉をぶつけてしまいました。
その一言が、思いがけない形で届いていて──。
来なかった人
「どうして来てくれなかったの」
通夜の席で顔を合わせた瞬間、思わずそう口にしていました。
父が亡くなり、通夜の前に一度自宅へ連れて帰ったときのことです。
親族が集まる中、父と特に仲が良かった親戚の男性の姿が見当たりませんでした。
いつも父に寄り添ってくれていた人だからこそ、仕事の合間に顔を出してくれるかもしれないと、どこかで期待していたのです。
残る違和感
その日は結局、その方に会うことはありませんでした。
自宅には人の出入りが続き、誰かと話していても、ふとその不在が頭をよぎります。
父のそばにいた時間の中で、どこかぽっかりと空いたような感覚が残りました。
夜になっても、その違和感は消えないままです。
「来てくれてもよかったのに」
そんな思いが、胸の奥に引っかかり続けていました。
ぶつけた言葉
通夜の席でその方と顔を合わせたとき、気持ちが一気にあふれました。
「親戚もたくさんいるし、自分が行っても仕方ないと思っていた」
そう返された言葉に、思わず言い返してしまいます。
「亡くなった連絡もおじちゃんにはすぐにしたし、お父さんと仲良かったやろ?」
「おじちゃんも親戚やないの!」
大人の集まる場で、言い過ぎたのではないかと、その瞬間に少しだけ後悔がよぎりました。
私はただ、父との思い出が人一倍深いおじちゃんと一緒に、ゆっくり父の話をしたかっただけだったのです。