容赦のない現実
その引っ越しの直前に長男が突然、失踪し姿を消してしまいました。
彼の通う学校や事業所だけでなく警察も出動しての大騒ぎになり、家を出て行ってから5時間後に無時に発見されるまで寿命が削られていく様な思いを味わいました。
その後、私も次男も精神的な疲弊から高熱を出し、半月程寝込んでしまいました。
次男にいたっては「肺炎」と診断されており、安静が必要で別居どころではありません。
「なぜ、このタイミングなの?」と天を仰ぎましたが、その時は家族の命を守ることが最優先。結果として、夫との「現状維持」という名の静かな日々が再び始まりました。
何も変わらない日々
夫のモラハラは今も続いています。
脳梗塞になっても入院を拒み、生活習慣も全く改めません。
そんな夫を見ていると、「このまま介護まで背負うのか」と暗い気持ちになることもあります。
あの日、倒れながらでも進めていたら──その後悔が、今も胸の奥に残っていないわけではありません。
けれど同時に、あの時必死で動いて備えた「知識」や「相談先との繋がり」が、今も私の中に消えずに残っていることも知っています。「いざとなれば、いつでも動ける」と自分を信じたい気持ちもあるのです。
瞬間こそが、タイミング
タイミングは、必ずしも整った状況の中にやってくるとは限りません。
大切なのは、「動けなかった自分」を責めることではなく、いつか来る「次のタイミング」のために、心と情報の準備を少しずつアップデートし続けること。
私の「また今度」のタイミングは、思った以上に遠い場所にあるけれど、「小さな備え」を続けながら、未来につながる準備期間として過ごせていければと思います。
【体験者:50代・筆者、回答時期:2026年4月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:藍沢佑菜
管理栄養士の資格を持つ、2人の自閉症男子のママ。自身の育児環境の変化をきっかけに、ライター活動をスタート。食と健康を軸に、ライフスタイル全般のコラムを得意とし、実体験に基づいたリアルな記事を執筆中。専門的な情報を「わかりやすく、すぐに日常に取り入れられる形」で伝えることが信条。読者の「知りたい」に寄り添い、暮らしを整えるヒントを発信しつづけている。