筆者の話です。
引っ越し当日、まさかのトラブルで予定が大きく崩れました。
そのとき、周囲の人たちの行動に戸惑いながらも、思いがけない気づきにつながっていきます。
引っ越し当日、まさかのトラブルで予定が大きく崩れました。
そのとき、周囲の人たちの行動に戸惑いながらも、思いがけない気づきにつながっていきます。
動かない車
「え、動かない!?」
転勤族だった頃、引っ越し当日、高所作業車が動かないというトラブルが起きました。
新居はエレベーターのない社宅の3階。
本来は機械で荷物を上げる予定でしたが、急きょ人の手で運ぶしかない状況に追い込まれました。
同じ社宅に住む同僚の方たちや、近所に住む夫の同期社員の方が応援に駆けつけ、気づけば、人の手で運ぶ作業が始まっていました。
募る気持ち
自分も何かしなければと思い外に出ようとすると「大変だから大丈夫ですよ。中を片づけていてください」と声をかけられました。
私は引っ越し当日に到着したので、声をかけてくれた方が誰かもわからず、お礼言いながら頭を下げるのに必死。
次々と荷物が運び込まれていく中で、自分だけが手を動かせていないように感じました。
夫の同僚が汗を拭いながら行き来する中で、運び込まれる荷物に「こちらに置いてください」と声をかけることしかできず、申し訳なさが募ります。
作業が進むほど、その気持ちは静かに重なっていきました。
手渡したもの
何もできないままでいることに耐えられず、休憩の時間を待って、私は用意していた焼き菓子を取り出しました。
本来は翌日手伝いに来てくれる両親用と自分へのご褒美にと楽しみにしていたものでしたが、その場でみなさんに食べてもらうことに。「これくらいしかできなくて」と差し出したお菓子は、今の私ができる精一杯の感謝でした。
「ありがとうございます」
と受け取ってもらいながらも、汗だくになっている表情に申し訳なさは消えません。
引っ越し後にそれぞれのお部屋に挨拶へ伺うと「大変だったね」と労われ、苦笑いされるばかりでした。