両親からの温かい言葉に救われる
そんなある日、I子はふと自分の過去の話を両親に打ち明けました。「やっぱり第一志望校に行けなかったことで、少し後悔しているんだよね。だから、息子の合格が本当に心から嬉しい」と素直な気持ちを伝えたのです。すると両親は穏やかな表情で「あなたはあの経験があったから、高校で一生懸命頑張れたし、自分の進みたい道も見つけられたでしょう。短大にも進んで、今の生活を築いているじゃない。後悔はあっても、それは失敗じゃないのよ」と言ってくれました。
後悔が今の自分を作っていた
その言葉を聞いたI子は、胸が熱くなったといいます。これまで「できなかったこと」として捉えていた出来事が、自分の人生の過程の大切な一部だったと気づいたからです。あの時の悔しさがあったからこそ、その後の努力につながり、今の穏やかな日常を手に入れられたのだと、時を経てようやく受け入れることができました。
人はつい、過去の選択を正解か不正解かだけで判断してしまいがちです。しかし、その経験をどう活かすかによって意味は大きく変わります。I子にとっての受験の記憶は、単なる後悔ではなく、自分を成長させるきっかけとなりました。
過去を否定するのではなく、今につながる過程として捉え直すこと。それが、前向きに生きるための大切な視点なのかもしれないと考えさせられたエピソードでした。
【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2026年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Miwa.S
事務員としてのキャリアを積みながら、ライター活動をスタート。持ち前の聞き上手を活かし、職場の同僚や友人などから、嫁姑・ママ友トラブルなどのリアルなエピソードを多数収集し、その声を中心にコラムを執筆。 新たなスキルを身につけ、読者に共感と気づきを届けたいという思いで、日々精力的に情報を発信している。栄養士の資格を活かして、食に関する記事を執筆することも。