一生に一度の成人式。特別な日のはずが、今でも思い出すと少し胸がざわつく。
今回ご紹介するのは、振袖選びをめぐって「自分の気持ちを伝えきれなかった」ことを後悔している筆者の体験です。
大人になった今だからこそ気づけた、親との関係や子どもとの向き合い方について考えさせられるエピソードです。
今回ご紹介するのは、振袖選びをめぐって「自分の気持ちを伝えきれなかった」ことを後悔している筆者の体験です。
大人になった今だからこそ気づけた、親との関係や子どもとの向き合い方について考えさせられるエピソードです。
母に言えなかった本音
母とは普段とても仲が良く、穏やかな関係でした。
しかし一つだけ、昔から感じていたことがあります。
それは、私の話を最後まで聞かずに流してしまうことがある、ということでした。
子どもの頃、欲しい服やカバンを伝えても、母が選んだものを勧められ、そのまま購入されることがよくありました。
母なりに「似合うものを選びたい」「失敗させたくない」という思いがあったのだと思います。
けれど、人と同じものが苦手でこだわりの強い私にとって、それは小さく積み重なる寂しさでもありました。
その違和感が、成人式の振袖選びで大きく表れることになります。
一目惚れした振袖とすれ違い
成人式の前撮りのため、母が振袖選びを手配してくれました。
そこで私は、一着の振袖に一目惚れします。
紫色を基調とした上品なデザインで、裾に入った柄もとても美しく、直感的に「これがいい」と思えるものでした。
母も「それが一番似合う」と言ってくれ、私はとても嬉しくなりました。
さらにお店の方から「今は誰も予約していないので、予約をすれば成人式当日もこの振袖が着られますよ」と説明を受け、私は迷わず母に伝えました。
「これが着たい」
しかし母は、その場でははっきりとした返事をしませんでした。
私が「バイトで稼いだお金で、自分で費用を出すから」と伝えても、答えは変わらないままでした。