「もしあのとき、ああしていれば……」そんな後悔を、心のどこかに抱えたまま生きている方も多いのではないでしょうか。失った時間は戻りませんが、その後悔をどう昇華させるかは自分次第です。今回は、筆者の知人の体験談をお届けします。

目の前に現れたチャンス

10年前、社内掲示板で海外プロジェクトの公募を見つけました。
これまでの自分のキャリアを活かせる、願ってもないポスト。
胸は高鳴ったのに、応募画面を前に私の指は止まりました。

「TOEICの点数が足りない」
「英語でプレゼンなんて無理」

挑戦したい気持ちよりも、失敗への恐怖が勝ってしまったのです。

何度も募集要項をスクロールしては、『どうせ無理だ』と自分に言い聞かせるための材料を探す日々。
そうこうしているうちに、応募期限は過ぎていました。

恐れず進む後輩の背中を見て……

結局そのポストに就いたのは、私よりずっとスキルの低い、けれど「挑戦したい!」と手を挙げた後輩でした。
言い訳ばかりで動こうとしなかった私とは対照的に、行動に移した彼女は意気揚々と海外へ。

『あんなに未熟な彼女に、何ができるの?』
そう思いたかったけれど、本当は、彼女が持っていて私が持っていなかった『無鉄砲な勇気』が、眩しくてたまらなかったのです。

その後も、彼女が活躍する姿を社内報で見るたび、嫉妬と後悔で胸の奥がチリチリと痛みました。

完璧に準備が整うのを待っていたら、好機は逃げてしまう。
英語力なんて、現地で必死に食らいつけば後からついてきたはずなのに……。

自分の可能性を信じきれなかった自分への苛立ちが、10年間ずっと消えることはありませんでした。