皆さんには、相手の本心を確かめないまま、「きっとこう思っているはず」と決めつけてしまった経験はありませんか。そんな小さな誤解が、時には大きな心の距離になってしまうことも。今回は、筆者の友人D樹の長年抱えていた兄への誤解が、ある出来事をきっかけに解けた心温まるエピソードをご紹介します。

思いがけない場でわだかまりが解消

転機が訪れたのは、祖父の法事の日でした。久しぶりに兄弟が揃い、食事の準備を手伝っていると、兄がぽつりと「お前さ、昔から周り見てよく動くよな」と話しかけてきました。突然の言葉に返事ができずにいると、「正直、学生の頃は比べられるのがしんどかった。でも、お前が気を使ってくれてたのも分かってたんだよ。だからなんとなく距離取ってたのは俺の方だよな」と予想もしなかった兄の本音が聞けたのです。

嫌われていると思っていた年月が、一瞬でほどけていきます。D樹は思わず笑ってしまいました。「え、俺はずっと嫌われてると思ってたよ」そう伝えると、兄は少し照れたように笑います。「逆だよ。お前ができすぎて、どう接していいか分からなかっただけ」たったそれだけの会話でしたが、長年のわだかまりはすっと消えていきました。

その後は、以前よりも自然に連絡を取り合える関係になったといいます。

相手の気持ちは、聞かなければ分からない。逆に言えば自分の気持ちも相手に言わなければ伝わらない。思い込みが生んだ距離も、言葉ひとつで埋まることがあるのだと言葉の大切さを改めて感じさせてくれるエピソードでした。

【体験者:30代・男性会社員、回答時期:2026年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Miwa.S
事務員としてのキャリアを積みながら、ライター活動をスタート。持ち前の聞き上手を活かし、職場の同僚や友人などから、嫁姑・ママ友トラブルなどのリアルなエピソードを多数収集し、その声を中心にコラムを執筆。 新たなスキルを身につけ、読者に共感と気づきを届けたいという思いで、日々精力的に情報を発信している。栄養士の資格を活かして、食に関する記事を執筆することも。