皆さんは、良かれと思ってとった行動が、相手にとって負担になってしまっていたなんて経験はありませんか。特に、職場でのコミュニケーションは、近すぎても遠すぎてもハラスメントになることがあるため、適度な距離感を保つのは難しいですよね。今回は、筆者の友人K太が経験した、仕事での新人との関わり方に真剣に向き合う先輩の姿に胸を打たれたエピソードをご紹介します。

自分の目標にしている存在

K太は、30代の会社員。体育会系で明るく、部署のムードメーカー的存在として、上司や後輩からも慕われている存在です。そんなK太には、入社当初から目標にしている40代の先輩E太がいました。大きな声で挨拶し、場を引き締める頼れる存在で、チームを引っ張る姿はまさに理想の上司。

しかし最近、そのE太がどこか元気がない様子でした。会議後も一人で考え込むことが増え、以前のような勢いが見られません。

思いがけない先輩の悩み

気になったK太が声をかけると、E太は少し苦笑いを浮かべながら「最近の新人との距離感って、難しいな」と話し始めました。詳しく聞くと、新入社員のY斗への接し方について指摘を受けたというのです。

E太はこれまで通り、「おはよう!」と元気よく挨拶し、「よくやった! 次も頼むぞ!」と肩を軽く叩いて励ましていました。ところが、本人の意図にかかわらず、相手が不快や威圧感を感じればハラスメントに該当し得ると、注意されたそうです。Y斗本人が強く不満を訴えたわけではありません。ただ、物静かで人との距離を大切にする性格のため、突然肩に触れられることや大きな声で褒められることが負担になっていたようでした。