自分の意見を押し殺してしまう私があの人に救われた
ある日、保護者役員を決める話し合いで、静かなS美が標的になり、役員を断りきれない空気に包まれます。「S美さんならできそう」「真面目だから安心」と言われ、押し切られそうになったその時。「S美さんはやりたいの? 無理やり引き受ける感じなら、もう少し話し合いしようよ」と突然R奈が口を開きました。その一言で場の流れが止まり、断りたかったS美はとても救われた気持ちになりました。
帰り道に「もっと自分の意見を言ってもいいんじゃない? あなた、真面目すぎるから」とR奈はS美に言い、さらに続けて、「親が遠慮してると、子どもまで遠慮がちになっちゃうかもよ。これあげる」
そう言って、カレー味のクッキーを手渡してくれました。贈り物まで一癖あるR奈の発言は、あまりに唐突で、けれど今のS美にとって妙に心に刺さる言葉でした。
自分が選択してきた『無難』ってなんだったんだろう
その夜、S美は「水泳教室に行きたい」と言えずにいた子どもとの出来事を思い出しました。子どもの挑戦意欲を抑え「お金がかかるから」「忙しいから」と、波風を立てないために先回りして否定していた自分に気づき、ハッとしました。無難を選び続けてきたのは、家族を守るためだと思っていたのに……実は、自分が傷つかないためだったのかもしれない。
そう気づいた翌日からS美は少しずつ変わり始めます。小さな希望を口にし、自分の意見を言うことを恐れなくなりました。我が道を行くR奈の真っ直ぐな一言が、S美の固定概念を崩し、毎日をイキイキと生きられるきっかけになったエピソードでした。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Miwa.S
事務員としてのキャリアを積みながら、ライター活動をスタート。持ち前の聞き上手を活かし、職場の同僚や友人などから、嫁姑・ママ友トラブルなどのリアルなエピソードを多数収集し、その声を中心にコラムを執筆。 新たなスキルを身につけ、読者に共感と気づきを届けたいという思いで、日々精力的に情報を発信している。栄養士の資格を活かして、食に関する記事を執筆することも。