友人Aの話です。
「そんなところに置かないで」と何度伝えても、夫には届いていませんでした。
けれど、ある晩の出来事をきっかけに、家の空気が少し変わります。
「そんなところに置かないで」と何度伝えても、夫には届いていませんでした。
けれど、ある晩の出来事をきっかけに、家の空気が少し変わります。
起き癖
「そんなところに置かないで」
Aは、夫にそう声をかけることが何度もありました。
夫は大切な物でも、机の端や食卓に無造作に置いてしまう癖があります。
そのたびにAが先回りして片づけ、気づけば注意しても流れは変わらないままでした。
大きな言い合いになることもなく、いつの間にか、それが当たり前の役割になっていたのです。
余裕なし
その日は、子どもたちが遅くまで遊んでいて、帰宅後の家の中は落ち着かない空気でした。
着替えを促し、手を洗わせ、鍋を火にかける。
早く食べさせて、早く寝かせたい。
頭の中はそれだけで、時計を何度も確認しながら動いていました。
湯気の立つ鍋と、呼びかけに反応しない子どもたちの声が重なり、Aは無意識に動きを早めていきます。
いつもなら気になる食卓の様子にも、その日は目が向きません。
夫の本が置かれていることにも、Aは気づかないままでした。
うどん事件
食卓に夕飯のおかずを並べていると「うわ!?」と夫の声が上がります。
見ると、無造作に置かれていた一冊の本に、子どものうどんがこぼれていました。
待ちきれなかった子どもが、先に用意されていたうどんに手を伸ばした拍子だったようです。