これは、筆者の知人のA子さんから聞いたお話です。人生最大の大仕事である出産。夫婦水入らずでその時を待ちたいと願う人は多いでしょう。しかし、そんな聖域であるLDR(陣痛・分娩・回復室)に、呼んでもいない実母が朝から居座っていたら……? そんな冷や汗と感動の出産エピソードをご紹介します。

計画出産の優雅な朝が一変! LDRでピクニック気分の実母

過干渉な実母を持つA子さん。第一子の出産は、あらかじめ日程を決めて入院する「計画出産」を選択しました。当日は朝から夫とLDRに入り、促進剤を使いながらゆったりと赤ちゃんの誕生を待つ……はずでした。

しかし、そこにはなぜか呼んでもいない実母の姿が! 「心配だから来ちゃった!」と笑顔で現れた母は、驚くA子さん夫婦をよそに持参した本を読み始め、あろうことかお菓子まで広げてボリボリと食べ始めたのです(※当時は面会制限が比較的緩やかでしたが、それでも病院内での飲食には驚かされました)。

まるで自宅のリビングのようにくつろぐ母。緊張感のかけらもないその光景に、A子さんのリラックスムードは一瞬にして消え去り、イライラと不安が募る朝となってしまいました。

「まさか見る気!?」陣痛ピークに荷物を片付け始めた母の真意

時間が経ち、いよいよ陣痛の間隔が短くなってきました。看護師さんたちの動きも慌ただしくなり、LDR内の空気が出産モードへと切り替わります。

すると、それまで優雅に読書をしていた母が、おもむろに本を閉じ、飲み物やお菓子のゴミを片付け始めたのです。

「え、帰る準備?」と一瞬期待したA子さんでしたが、母は椅子に座り直し、分娩台の横に近づいてきてスタンバイ。

「まさか、このまま立ち会う気じゃ……」というA子さんの予感は的中しそうです。

夫も「え、お義母さんどうするの?」と戸惑いの表情。夫婦だけの空間で迎えるはずの感動の瞬間が、「母」という想定外のメンバーが参加するという危機に直面しました。