筆者の友人・N希は保育士として30年ほど勤めています。複数の保育園に在籍してきましたが、昨年からは私立保育園の園長として勤務することになったそうです。N希が遭遇した困った保護者とのエピソードをご紹介します。

困った保護者

私が最近出会った保護者で、対応に非常に苦労したのは、集団生活の中での葛藤が多いS君の保護者・Hさんです。
S君は自分の感情をコントロールすることが難しく、腹を立てると相手に嚙みついてしまったり、物で叩いてしまったりすることがあったため、担任や周囲の先生とも情報共有を密にしている子でした。

私は何度か担任の先生に「専門機関への紹介をしてみては?」と保護者に伝えてみては、とアドバイスをしていたのですが、担任からは「なかなかお母様にご理解をいただけない」と報告を受けていたのです。

深まる溝

ある日のこと。
S君とは違うクラスの担任の先生が私を呼びに来ました。
急いでS君のクラスへ行くと、女の子が腕から血を出して大泣きしていたのです。
その横では積み木を手当たり次第に投げているS君の姿が。
私はS君を教室から連れ出し、園長室で対応することにしました。

幸い、女の子のケガは軽症でしたが、事態を重く見た私はすぐにHさんに連絡をし、園に来て欲しいと伝えました。
Hさんは「すぐには帰れない」と言い、迎えに来たのはいつもと同じ時間。
園長室で寝てしまったS君を見て「どうしたんですか?」とどこか他人事のような感じだったのです。

私が詳しい状況を伝えても「ウソつかないで! うちの子がそんなことするわけないでしょ?」と一切認めようとせず、寝ているS君を叩き起こして帰ってしまいました。