窮地を救った小さな女の子
そのときです。
後ろの方から、小さな女の子がはっきりとした声で言いました。
「ちがうよ!」
一瞬で、周囲の視線がその子に集まりました。
「そのトラックね、さっき遊んでた子が置いていったんだよ」
さらに、その子のお母さんも「うちの子、ずっと砂場を見ていたみたいで……」とフォローしてくれました。
その一言で、状況は一気に明らかになりました。
実は、問題のトラックは誰かの「忘れ物」だったのです。相手の母親は、砂場の様子を最初から見ていたわけではなく、自分の子が泣き出したタイミングでそばにいたK太を、状況も見ずに犯人だと決めつけてしまったのでした。
真実を知った母親は、顔を赤らめて「……すみません。私の思い込みでした」と気まずそうに謝罪し、子どもを連れて去っていきました。
事件後に気づいた、親の向き合い方
トラブルは解決しましたが、K太はまだ不安そうな顔。「僕、悪いことしてないよね……?」と涙目で聞いてきました。
私はしゃがんで目線を合わせ、「何も悪くないよ。ちゃんと説明してえらかったよ」と伝え、ぎゅっと抱きしめました。
K太はようやく安心したように、私の手を握り返してくれました。
今回の件で私は、子どものトラブルは大人の早とちりで大きくなってしまうことがあると痛感しました。
そして何より、子どもが誤解に巻き込まれたときに、親が味方でいる姿勢がどれほど大切かを強く感じたのです。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。