筆者の話です。大叔母の葬儀中、参列していた大叔母の孫Hさんが突然倒れ、場がざわつきました。
救命救急士の親戚Kさんが声をかけ続ける中、母は助けになりたくて「Hです。32歳です」と代わりに答えていました。
その善意が、あとから思わぬ形で「なるほど」に変わります。
救命救急士の親戚Kさんが声をかけ続ける中、母は助けになりたくて「Hです。32歳です」と代わりに答えていました。
その善意が、あとから思わぬ形で「なるほど」に変わります。
倒れた親戚
大叔母の自宅で行われた葬儀の最中でした。
読経が続く中、親戚が静かに座っていたとき。
参列していた大叔母の孫Hさんが突然倒れ、空気が一気に張りつめました。
たまたま参列者の中に親戚の救命救急士のKさんがいて、すぐに駆け寄ります。
Kさんは落ち着いた声で、Hさんの顔を覗き込みながら「お名前は? 何歳ですか?」と声をかけ続けていました。
母の返事
周りは固まったまま、ただ見守るしかありません。
担架の準備を始める者や、外の様子を見に行く者が出てきて、場は一気に慌ただしくなりました。
座布団を直す手も止まり、誰かの息をのむ音だけが聞こえた気がします。
その中で母は、じっとしていられなかったのでしょう。
助けになりたい一心で、Kさんの問いかけに合わせるように「Hです。32歳です」と代わりに答えていました。
周りの親戚も、Hさんが答えられない様子を見て、母にならうように代わりに答えたり声をかけたりしていたのです。それは、倒れたHさんを皆で支えようとする、懸命な空気でもありました。