筆者の姑は漬物に並々ならぬこだわりがあります。そんな姑がアポなしでやって来た日、うちには漬物らしい漬物がありませんでした。その時のエピソードを紹介します。
漬物好きの姑
私は幼い子どもが3人いる主婦です。
今住んでいる所は夫の故郷で、漬物が名産品のひとつ。
漬物をよく食べる土地柄もあって、姑も漬物には相当なこだわりがありました。
地元の老舗メーカーが販売する商品しか買わず、「ここより美味しい漬物がある場所は、京都くらいだわ」とよく言っていたのです。
アポなしで来た姑
ある日の夕方、インターホンが鳴ったので出てみると姑が立っていました。
「近くに来たから寄ったわ」と言う姑。
もうすぐ夕飯という時にアポなしで来られて、私は少し戸惑いました。
「もうすぐご飯でしょ? 私はお漬物だけあればいいから気にしないで」
そう姑は言いましたが、アポなしで来たとは言え、姑に漬物だけ出すわけにはいきません。
仕方がないので、その日の朝に作った白菜の浅漬けと、急いで準備した私の分のおかずを提供したのです。
「育ちが悪い証拠ね」
「何これ?」
浅漬けをテーブルに置いた瞬間、姑はそう言いました。
「今朝仕込んだ白菜の浅漬けです」
そう答えた私に、姑は驚いた顔を向けます。