冠婚葬祭はマナーが難しく、周囲の目が気になる場面でもありますよね。特に、目上の人からの「チェック」に心をすり減らした経験がある方もいるのではないでしょうか。今回は、筆者の友人が体験したエピソードをご紹介します。

悲しむ暇もなく

父が亡くなったのは、昨年のことでした。
ひとりっ子で、すでに母も他界していたため、突然の別れに悲しむ暇もなく、私は喪主として奔走することに。

そんな私の背後では、叔母の厳しいチェックが光っていました。
叔母はいつでも私の粗を探しては、「あの子は母親がいないから」と陰口を叩くため、正直苦手でした。

「焼香の順序が違う」
「供花がこれじゃ寂しいんじゃない?」

叔母は次から次へと文句を並べます。

父は生前から、できるだけ堅苦しくなく質素な式を希望していました。
叔母もそれは知っていたはずです。

マナーを指摘するふりをして、ただ文句を言いたいだけのようにも見えたのは、私に余裕がなかったからでしょうか。

私の心は次第に追い詰められていきました。

容赦なく刺さる言葉

極め付けは、精進落としの席での発言でした。

叔母は親戚中に聞こえるような大きな声で、
「もっと良い料理出せなかったの? これじゃあまりにもお兄さんが可哀想だわ!」
と言い放ったのです。

悔しさ、悲しさ、情けなさ……色々な感情が溢れて、こらえていた涙が今にも溢れそうでした。