国際線での帰国便。機内でぼんやりと映画を観ていると、「ただいまより、ご協力をお願いできますでしょうか」とアナウンスが入りました。機内で「お願い」の放送が流れることがあまりないので、思わず画面から顔を上げたのです。
前方をみると、客室乗務員の方が小さな袋を一つひとつの座席にそっと差し出していました。「余った外貨を寄付として集めています。もしよろしければ……」とやわらかな声が続き、胸の奥がじんわり温まった気がしました。