思わぬ原因と、食品の繊細さ
後日、メーカーから電話があり、詳しく説明していただきました。
担当者によると━━
配送や陳列の途中、ふたに何らかの衝撃が加わった可能性があるとのこと。
その衝撃により、ふたと瓶の間にすき間が生じたおそれがある。
見た目ではほとんどわからないごくわずかな隙間でも、真空状態が保てなくなり、そこから外気に触れ、カビの胞子が入り込んでしまったのではないか。
ということでした。
開けたときの感覚では、ふたが緩んでいる感じもなく、普通の瓶とまったく同じ手ごたえだっただけに驚きました。
「まれにですが、どうしても起こりうることなんです」との説明を受け、食品の繊細さをあらためて実感しました。
もし、あのままよく見ずに食べてしまっていたら……と思うと、少しゾッとしました。
それ以来、瓶や缶、真空パックの食品でも、開封前後に表面の状態を確認する習慣がつきました。
確認するひと手間が安心につながる
メーカーの担当者は終始丁寧で、気遣いが感じられました。原因の説明も分かりやすく、こちらの気持ちに寄り添ってくれた姿勢に、とても誠意を感じました。
問題が起きたときこそ企業の姿勢が見えるものだと実感しました。
さらに、お詫びとしてジャムの他にも商品をいくつか送ってくださり、ちょっとだけラッキーな展開にもなりました。
そして何より、食品は「見た目が普通でも100%安全とは限らない」ということ。
開封時に確認するひと手間が安心安全につながるのだと気づかされた出来事でした。
【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年11月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒヤリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:大下ユウ
歯科衛生士として長年活躍後、一般事務、そして子育てを経て再び歯科衛生士に復帰。その後、自身の経験を活かし、対人関係の仕事とは真逆の在宅ワークであるWebライターに挑戦。現在は、歯科・医療関係、占い、子育て、料理といった幅広いジャンルで、自身の経験や家族・友人へのヒアリングを通して、読者の心に響く記事を執筆中。