私の子育て
私は、仕事を定年し老後生活に突入した主婦です。
子供は4人いますが、みんなそれぞれ独立して生活しています。
4人の子供が幼い時から、私はすでにフルタイムで働いていました。理由は経済事情。働く以外に選択肢がない状態でした。
しかし、子供と過ごしたい気持ちが強かった私。幼い子供と離れて仕事を続けなければならない事に、悔しさや辛さを抱え続けていたのです。
そんな当時の私には、“ちょっとした夢”が。その夢というのが「自分がおばあちゃんになったら、のんびり孫と過ごしたい」というもの。
そんな夢を慰めに、私は子供を預け、必死に働き続けたのです。
孫が誕生
そんな私に、念願の孫が誕生しました。
初孫は長男の嫁の子供。可愛い男の子で、抱っこさせてもらうと、とても幸せでした。
ある日、長男の嫁が孫を連れて遊びに来ていた時の事。
話の流れから昔の話になり、「小さい子供が大好きだけど、自分の子育ての時は働かなければいけなかった。それが辛かったの」「いつも『子供と過ごしたい』と思いながら働いていたわ」と思わず漏らしてしまった私。
そんな話を、嫁は神妙な顔をして聞いていました。
嫁が孫を
数週間後、嫁から電話がかかってきました。
「歯医者に行きたいんですけど、お義母さん息子ちゃんの事見ていてくれませんか?」そう言う嫁に、私はもちろん快諾。嫁が出かけている間、小さな孫と幸せな時間を過ごしました。
それをきっかけに、嫁はよく私に孫を預けるようになりました。さらには、次男の嫁や娘も、自分たちに子供が生まれると、私に預けていくのです。
なので、我が家にはいつも孫がいる状態に。
「私も嬉しいし、嫁や娘たちも用事を済ませられて一石二鳥ね」と、深く考えていなかった私ですが、ある日次男の嫁からこんな事を聞いたのです。
「A子さん(長男の嫁)が、『お義母さんができなかった、小さい子供と過ごす時間を作ってあげたい』って言ってたんですよ」
それを聞いた瞬間、私は思わず泣き出してしまいました。
嫁たちに感謝
その後も孫は増え続け、今では10人の孫がいます。
“孫育て”を心から楽しんでいますし、夢を叶えてくれた嫁と娘たち、特に長男の嫁にはとても感謝しています。
【体験者:60代・女性主婦、回答時期:2025年11月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Junko.A
子育てに奮闘しながら、フリーランスのライターとして活躍中。地方移住や結婚、スナックの仕事、そして3人の子育てと、さまざまな経験を通じて得た知見をライティングに活かしている。文章を書くことがもともと好きで、3人目の子どもを出産後に、ライターの仕事をスタート。自身の体験談や家族、ママ友からのエピソードを元に、姑に関するテーマを得意としている。また、フリーランスを目指す方へ向けた情報ブログを運営中。