「結婚しているか、していないか」その違いで人の価値が測られてしまうような場面に、違和感を覚えたことはありませんか? 時代遅れな価値観だと分かっていても、落ち込んでしまうこともありますよね。今回は、筆者の友人の体験談をご紹介します。
無邪気な一言
「独身はいいなぁ、自由で。好きなときに寝て、好きなことできるもんね」
職場のランチタイムで、既婚の同僚A子が、笑いながら私に言いました。
冗談まじりで悪気はないと分かってはいても、どうしても胸の奥にチクリとした痛みが走ります。
たしかに私は40代で独身。
配偶者も子どももいないという点において、時間もお金も融通がきくけれど、だからといって決して「気楽」なわけではありません。
自由の裏にある責任と孤独
自由に見える生活の裏には、すべてを自分で背負う責任と孤独があります。
家のこと、将来の不安。
そして、病気になったらどうしようという漠然とした恐怖……。
どれも、誰かと分け合うことはできません。
私がひとりで抱え込んでいるものです。
何かあっても頼る人がいない寂しさは、既婚の人が思う以上に重くのしかかってきます。
しかし、そう伝えると「そんなこと言って、まだ選び放題でしょ」と、軽く流されてしまうことがほとんど。
「自由=お気楽」というレッテルを貼られるたびに、私の心にはなんとも言えないモヤモヤが募っていきました。