義父の「自慢癖」
私は、義父の“自慢癖”が、とにかく苦手。
義父は小さな会社を経営しており、資産として複数の山や土地を所有しています。
私はその手の話に興味がないのですが、義父は事あるごとに「私の土地」「私の山」と自慢話をします。
困るのは「私情」が挟まれたとき
先日も「見せたいものがある」と義父が言い出し、夫と私の3人でドライブへ行きました。
着いた先は広大な山林。
「A子さん。ここ、私の土地なんですよ」と誇らしげに案内が始まりましたが、夫は終始無表情で、私と同じく無関心な様子。
自慢話自体は『また始まったか』と聞き流せますが、困るのは義父が調子に乗って、他人を巻き込み始めたときです。
義父の余計な一言
次第に、話題は徐々に私の父へと移りました。
義父は、「ところでA子さんのお父さんは、土地や不動産をお持ちですか?」と。
私の父はごく普通の会社員で、特に裕福ではありません。
「いや、持ってないし聞いたこともないです」と答えると、義父は待ってましたとばかりに、不動産を持つことの優位性について力説し始めます。
いちいち私の父を引き合いに出して、私の家の経済状況を探ってくるのが本当に嫌で、聞いていて楽しいものではありません。
夫が放った一言
義父が「あのね、不動産というのは……」と話を続けようと口を開いたとき。
これまで一切口を挟まなかった夫が、静かに言ったのです。
「父さん。その話、おれも奥さんも興味ないから」
「俺もA子も、父さんの自慢話に付き合えないから、そろそろ帰ろうか」
その一言で、空気が一瞬で凍りつき、義父の顔は赤らみ、自慢話はピタリと止まりました。
夫の静かな怒り
帰宅後、珍しく噛みついた夫に聞いてみました。
すると、最近夫は義父と家業のことで揉めることが多く、考え方や言い方に気になる点が多かったそう。
それもあって、私の父まで侮辱するような態度に、怒りが頂点に達したと言いました。
無関心に見えた夫が、私を守るために放った一言。
私は心の中で静かにスカッとしたのでした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。