今回は筆者の思わずクスッとしてしまった体験をお話しします。
電車大好き息子と、楽しい電車旅
私には4歳になったばかりの一人息子がいます。
息子は電車が大好きで、休みの日はよく電車で旅をしていました。
ある日、私は息子といつもと違う場所へ行こうと、電車に乗り込みました。
息子は楽しそうにしながらも、小声で話したりなどのマナーも守り、電車に乗れた喜びに溢れている様子。
そして乗り換えは、いつもと違う線へ。
色んな種類の電車に乗りたい息子は、自分のカメラで車体を撮影したり大興奮でした。
そして乗り換えをすると……。
混み合う車内で、席を譲ってもらったが……
席は埋まっていて、立っている人がチラホラいるぐらいの混み具合。
邪魔にならないように端のほうに立っていると、目の前に座っていた中年女性が、
「席、良かったらどうぞ」
そう言いながら、私達のために席を空けてくださったのです。
断ろうとするも笑顔で立ち上がってくださったので、私は感謝を述べて座ろうとすると、
「僕は座らないよ?」
そう息子は立ったまま言いました。そして……
まさかの優しい発言に、周りも笑顔
「女の子には優しくするんだよ。僕は4歳だから立てるんだよ!」
と、大きな声でまさかのレディーファースト宣言をしたのです。
これに対し、その女性は驚きながらも満面の笑み。息子の言葉で周りの人達もニッコニコです。
「じゃあおじさんの席座る?」
と横に座っていた男性が言うと、息子は一瞬悩んだようでしたが、
「分かった! 代わりばんこで座ろうね」
と、すんなり男性と入れ替わって座っていた息子に、周りも笑っていました。
日頃から「男女関係なく周りの人達には優しくする事」と伝えていましたが、何故か「女の子優先」の意識が高かったようです。しかし、その根底には、誰にでも親切にしたいという純粋な気持ちがあったのだと感じました。
4歳で人に優しくする事が身についていて、とても嬉しく思いました。
周りの人達がとても優しくて本当にありがたかったですし、息子の成長も感じられて幸せを実感した出来事でした。見知らぬ人同士が温かく交流する一瞬に立ち会え、私自身も誰かに優しさを分け与える事の大切さを改めて学べた旅になりました。
【体験者:30代・筆者、回答時期:2025年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Yuki.K
飲み歩きが趣味の元キャバ嬢。そのキャリアで培った人間観察力でコラムを執筆中。すっと人の懐に入ることができる天然人たらしが武器。そのせいか、人から重い話を打ち明けられやすい。キャバクラ勤務後は、医療従事者として活躍していたが出産を機に退職。現在はこれまでの経験で得た人間関係を取材に生かし、主に女性の人生の機微を記事にするママライター。