友人の結婚式で、小さな男の子に懐かれたB子さん。
ところがその子の父親が、だいぶ「クセモノ」で、モヤモヤしてしまったそうです。
「うちの子を抱っこして写真撮ってもらえませんか?」
先日、学生時代の友人の結婚式に出席したときのことです。
久しぶりに会う女友達グループでワイワイ話していると、近くにいた小さな男の子がニコニコと笑いかけてきました。
「可愛いね〜♡」などと言いながら、みんなで男の子に手を振っていると、男の子がこちらに近寄ってきて「抱っこ!」と手を伸ばしてきたのです。
突然の出来事に戸惑っていると、そのお父さんに話しかけられました。
「僕、新郎の親戚なんですけど、 〇〇(男の子の名前)がお姉さんに遊んでもらいたいみたいで……。記念によかったら抱っこで一緒に写真を撮ってもらってもいいですか?」
その提案に、内心戸惑う私。
子どもが嫌いなわけではありませんが、この日のために買った新しいドレスで、外履きを履いた子どもを抱っこするのは、正直ちょっと……と思いました。
もう、勘弁してほしい
とはいえ、相手は新郎側の親族。
せっかくの晴れの場で、私は新婦の顔に泥を塗りたくありませんでした。
少し悩んだ結果、結局私は男の子を抱っこさせてもらうことにしたのです。
「わぁ、ありがとうございます。可愛いね〜」
すると、男の子はすっかり私に懐いてしまったようで、写真撮影や歓談のたびに、走ってきては、抱っこをせがんできました。
最初こそ「まあ、いいか」なんて思っていましたが、男の子をかまっているせいでシャッターチャンスを逃してしまったり、やはりドレスが汚れそうになってしまったり──。
私も次第に疲れが出てきてしまい、だんだんとこちらの笑顔もひきつってきました。
それでも男の子のお父さんは、そんな様子をニコニコ見ているだけ。
そしてしまいには、「お姉さん、彼氏とかいるんですか?」と聞いてくるのでした。
救世主登場!?
「あの、えーっと」
困りながら曖昧な笑みを浮かべていたそのとき。
「すみません! ご迷惑をおかけして!」
男の子のお母さんが、慌ててやってきました。
「迷惑じゃないよなぁ〜? 遊んでもらってたんだもんな〜。この子たち、子どもが好きらしいよ」
と言うお父さんでしたが、その空気の読めなさは、私の苛立ちをさらに募らせました。
すると、次の瞬間──。
「迷惑なのは、アンタ!」
「迷惑に決まってるでしょ! アンタが一番迷惑なのよ!!」
「!?」
怒り心頭のお母さんに、周囲もびっくり。
もっとも、一番驚いた顔をしていたのは、お父さんでしたが……その様子を私は少し冷めた目で見ていました。
「この人いつもこうなんです。綺麗で優しそうなお姉さんがいると声をかけるついでに、自分が子どもの面倒を見たくないからって預けようとするんです。私がどうしても手が離せない用事があっていなかったので……。本当にごめんなさい!」
お母さんはそう謝ると、そのまま子どもの手を取り、お父さんを引きずっていきました。
信じられない出来事
父親のあまりの無責任さと失礼さに、どうしても不快な気持ちが残ることになってしまったこの出来事。
どちらにせよ、彼はそのあとたっぷり怒られたのか、その後は披露宴が終わるまで、こちらに話しかけてくることはありませんでした。
自分の子どもの安全を守り、面倒をみるのは、親の大切な役目だと思います。
あの男の子の父親が、少しでもそれに気が付いてくれるよう友人と強く願ったのでした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:大城サラ
イベント・集客・運営コンサル、ライター事業のフリーランスとして活動後、事業会社を設立。現在も会社経営者兼ライターとして活動中。事業を起こし、経営に取り組む経験から女性リーダーの悩みに寄り添ったり、恋愛や結婚に悩める多くの女性の相談に乗ってきたため、読者が前向きになれるような記事を届けることがモットー。