これは筆者の友人から聞いた体験談です。
友人が住むマンションはペット可の物件で、小型犬や猫を飼う住民も多く、ルールを守りながら穏やかな生活が続いていました。ところがある日、仕事帰りにエントランスの掲示板を見た彼女は目を疑いました。

マンションに突然現れた「ペット禁止」の張り紙

ママ友のマンションはペット可の物件で、小型犬や猫を飼う住民が多く、ルールを守りながら穏やかに暮らしていました。ところがある日、帰宅途中にエントランスの掲示板を見た住民が目を疑いました。
《ペット禁止!! 住民の健康と安全を守りましょう! 即刻、犬猫を手放してください!》
手書きの大きな文字と威圧的な文言。しかも管理会社の名前もなく、誰かが勝手に貼ったものでした。

不安を広げる女性の正体は

驚いて管理人に尋ねると、同じ張り紙が朝から数カ所に貼られていたとのこと。しかも貼っていたのは住民ではなく、近隣に住む高齢女性だったそうです。彼女はエントランスで住民に「動物の匂いがするでしょ!」「他人の迷惑を考えなさい!」と声を荒げ、散歩帰りのご夫婦も困惑顔。周囲では「もしかしてペット禁止になったの?」「苦情が出たのかな」と、不安の声が広がっていきました。

管理会社が動いた!

翌日、掲示板に今度は正式な管理会社からの通知が貼られました。
《最近、無断で掲示物を掲示する方が確認されています。本マンションはペット可物件であり、ルールを守った飼育は認められています。無断掲示や住民への干渉行為はトラブルの原因となりますのでご遠慮ください。》
さらに「防犯カメラで確認次第、しかるべき対応を取る」と明記。住民は胸をなで下ろし、張り紙はすべて剥がされました。

消えた“元住民”の影

その後、その女性の正体が明らかになりました。実は以前同じマンションに住んでいた元住民で、ペットを巡るトラブルから退去した過去があったそうです。逆恨みのように「正義」を振りかざし、無関係の住民に迷惑をかけていたのです。

自己ルールは共感を得られない

結局、女性の姿はぱったり見なくなり、日常は元通りに戻りました。誰もが安心して暮らすには、管理会社が示すルールを守ることが前提。他人の生活に土足で踏み込む“自己ルール”は、共感どころか迷惑にしかなりません。毅然とした対応をとってくれた管理会社に感謝した出来事でした。

【体験者:40代・女性パート主婦、回答時期:2025年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:北田怜子
経理事務・営業事務・百貨店販売などを経て、現在はWEBライターとして活動中。出産をきっかけに「家事や育児と両立しながら、自宅でできる仕事を」と考え、ライターの道へ。自身の経験を活かしながら幅広く情報収集を行い、リアルで共感を呼ぶ記事執筆を心がけている。子育て・恋愛・美容を中心に、女性の毎日に寄り添う記事を多数執筆。複数のメディアや自身のSNSでも積極的に情報を発信している。