SNSは日常を彩る便利なツールですよね。友人の近況が知れたり、新しい情報に出会えたりと、嬉しいこともたくさんあります。でも、時にはそのSNSが心を重くさせる原因になってしまうことも……。今回は、筆者の友人の体験談をご紹介します。

マウントコメントに疲弊……

最近、SNSを見るたびに疲れてしまうようになりました。
その原因のひとつが、学生時代からの友人M美のSNS投稿です。

彼女はいつもキラキラした生活をアピールし、一方で私の投稿には

「仕事、まだそんなスタートアップで消耗してるんだ?」
「え~まだそんなお店行ってるの?」

と、上から目線のマウントコメントばかりよこしてきます。

社会人になってからのM美は、自分の人生がいかに恵まれているかをSNSで強調するようになり、それを見るたびに私は、なんとなく心が重く、疲弊してしまっていたのです。

凍り付く空気と友人のフォロー

そんなある日、決定的な出来事が起こりました。

数年ぶりの友人たちとの食事会で、私が最近保護猫を引き取って育てているという話をしたときのこと。
M美が「え、保護猫とかよく飼えるね? 私なんてブリーダーから〇〇万円のロシアンブルー迎えようと思っててさ」と、自分の自慢にすり替えてきたのです。

場の空気は凍り付きましたが、私は「悪気はないのかも」と自分に言い聞かせ黙りました。

すると、友人のひとりが

「いや、失礼すぎでしょ。保護猫を引き取るなんて偉いし、すごいことだよ」

とフォローしてくれたのです。
M美は明らかにムッとしていました。

ありえない加工写真に、心が折れた瞬間

食事会は滞りなく終わったものの、翌日、私の心は完全に折れてしまいました。

M美が「気の置けない仲間たちとの最高の時間♡」というコメントつきでSNSにアップした食事会の写真には、私が写っている部分だけが不自然にトリミングされ、切り取られていたのです。

まるで私なんてその場にいなかったかのように……。
おそらく保護猫の話題で恥をかかされたと思い、私を逆恨みしたのでしょう。

これを見た瞬間、「もう、無理だ」と悟りました。

自分の心は自分で守る

M美の投稿で、気持ちも心も消耗してしまうことがやっとハッキリ自覚できた私は、悩んだ末にM美をミュートにしました。

最初は「友人をミュートにするなんて」と少し不安でしたが、すぐに心が驚くほど軽くなったのを感じました。

「それよりも、本当に好きなことや、心から話したい友人に自分の時間を使おう」と思えるようになったのです。

SNSは自分の人生を豊かにするツールであり、心をすり減らすものではないと改めて気付かされました。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2025年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。