最初の違和感
仕事から帰宅後、私はリビングにバッグを置いて家事をしていました。一段落して、家計簿をつけようと財布の中身を確認したところ、千円札が1枚足りないことに気付いたのです。
おかしいなと思ったものの、その日はあまり時間がなかったので「何かの勘違いかもしれない」と思い、原因を探ることなどはしませんでした。
娘が手に持っていたもの
それから1週間後、お風呂に入ろうとしたとき、キッチンの火の消し忘れが気になった私。慌てて脱衣所を出ると、私は衝撃の光景を目にしてしまいました。
小学6年生の娘が、リビングに置かれた私のバッグから財布を取り、手を付けようとしていたのです。
「娘がお金を盗もうとした……?」
カッとなった私は「何してるの!?」と大きな声で叱りました。するとビクッと驚いた様子で、私をチラッと見た娘。そして、泣きながら自分の部屋に閉じこもってしまいました。
お金を抜き取っていた理由に涙
少し時間を置いて、気持ちを落ち着かせた私は娘の部屋に行きました。そして娘に「今日が初めてじゃないよね? どうしてお金を取ろうとしたの?」と理由を尋ねました。
最初は黙っていた娘。しばらく経って、重たい口を開き「友達からお金を持ってこいって言われたの」と打ち明けてくれたのです。
これが、娘がいじめを受けていることに気付いたきっかけでした。私はいじめの事実を知った時、涙が止まりませんでした。
その後、学校に報告して対応してもらい、いじめ問題は解決。娘が私の財布からお金を取ることもなくなりました。
まずは子供の心の声に耳を傾けて
自分の子供がお金を親から取る……そんなことが起きたら、一方的に叱るだけで終わってしまうかもしれません。
ただ、子供の行動の裏には、直接言えない理由がある場合も。しっかり子供の話を聞くことで、隠れた問題に気づくことができるかもしれません。
【体験者:40代・女性パート、回答時期:2025年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:花澤ひかる
主婦ライター。ママ友たちからの悩みを聞くうちに、この声を世に届けたいと、ブログなどで活動を開始し、現在はltnライターに転身。主婦目線を大事に、ママ世代へのフィールドワークと取材を行い、そのリアルな思いをコラムにすることをライフワークにする。